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MarkeZine Day 2010レポート

ガイドライン策定し、ソーシャルメディア対策も万全
最前線を走るベネッセのネットマーケティング戦略の全貌

 今回の「MarkeZine Day 2010」のテーマである「ソーシャルメディア」と「マーケティングROI」を本格的に実践し、先駆的存在として認知されている株式会社ベネッセコーポレーション。午前中Bトラック最初のセッションでネットマーケティング部部長を務める豊岡隆行氏が登壇し、「トリプルメディアの活用により進化するベネッセのマーケティング戦略」と題し、講演した。(バックナンバーはこちら)

ROIを最適化するためには何が必要か

 冒頭、会場の聴講者へのこんな問いかけから始まった。「マーケティングROIを最適化するために何が必要だとお考えですか。例えば、媒体の選択なのかKPI(Key Performance Indicato/キー・パフォーマンス・インディケーター)なのか。重要なKPIを上げていくためのテストを繰り返すことなのか。それとも、そもそもKPIがわからないといけないので、それを把握・評価できる仕組みなのか。いや、今話題のソーシャルメディアなのか」

 豊岡氏はこの問いに対し、「私は戦略に基づいて動いていることではないかと考えています」と自らの見解を述べた。ネット環境では必要な数字、情報がすぐに分かるが、視点が狭くなりがちになる。そもそも戦略とは何か、それに基づいて動いているか。ベネッセコーポレーション(以下、ベネッセ)での実例を軸にしながら、同社のネットマーケティング戦略の全貌が語られた。

株式会社ベネッセコーポレーション マーケティング・営業本部
ネットマーケティング部 部長 豊岡隆行 氏
株式会社ベネッセコーポレーション マーケティング・営業本部 ネットマーケティング部 部長 豊岡隆行 氏

ベネッセのネット戦略とは

 ベネッセのネットマーケティング戦略とは何か。これを語る前に、豊岡氏はベネッセのマーケティング戦略そのものに触れた。ベネッセコーポレーションのマーケティング営業本部には約400人の担当者が在籍し、ダイレクトマーケティングを展開している。

講演資料より抜粋して掲載(以下、同)
講演資料より抜粋して掲載(以下、同)

 マーケティング営業本部では、見込み客を発見するために、市場に対してマス広告やWebで働きかけを行う。次に関心を持った顧客を特定化。例えば、メールアドレスや住所、電話番号など顧客とコンタクトが取れる環境を整えていく。

 これにより、顧客に対してクロージングできるため、この段階から商品購買に結び付くような顧客満足度を上げる環境を構築していく。また、顧客同士が交流できる場も提供する。これにより、新しい顧客につながるなどの循環ができるという。

 また、こうしたマーケティング戦略を踏まえ、ベネッセではネットの基本戦略を実践している。キーワードは、次の2点だ。

  1. 顧客への課題解決
  2. ベネッセと縁のあった顧客との継続的な接点

 「お客様が満足しなければ接点になっていかない。そのため、課題解決を通してコンタクトをとっていく手法を用いている。具体例として、当社には育児・出産を迎えている女性が訪れる『ウィメンズパーク』というサイトがある。育児における課題をこの場に投げかけると、会員数270万人のうち、1日あたり約2.2万人の声が寄せられる。つまり、課題解決を通して顧客同士の接点が生まれる」(豊岡氏)

 このようにベネッセでは、接点を増やす、ターゲット利益を増やすという意味で、さまざまな施策を実践している。さらに、育児から教育へと顧客ニーズが変化したタイミングで教育情報サイトにつなげていく。顧客の課題はライフステージごとで変わってくるという実態を正確に把握し、まるでバケツリレーのように各サイトでこの流れに即して担当していく。

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この記事の著者

高澤 里美(タカサワ サトミ)

外資系IT調査会社での調査・分析、半導体産業新聞記者などIT関連分野で幅広く十数年の経験を積んだ後、フリーライターとして始動。IT分野を中心に、各種執筆活動を継続中。最近では、各種記事・原稿執筆に加え、IT関連企業各社のプレスリリース、ニュースレター、広報誌なども手掛ける。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2010/11/11 11:00 https://markezine.jp/article/detail/12352

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