どこでも動画視聴な可能な時代が到来
ブライトコーブ株式会社でマーケティング&プロダクトマネジメント シニアディレクターを務める須賀正明氏(写真左)は「動画をどこかで見る世界から、動画がさまざまなところで視聴可能な世界になってきました。自社サイトに動画があります、YouTubeにもあります、Facebookにもあります、ブログにもありますといったように、動画に触れる機会が増えています」とこのテーマの意図を語る。
動画をより多くの人に見てもらうためには、人が集まるさまざまなチャネルで配信する必要がある。だが、複数のチャネルで動画を配信すると、チャネルごとに管理の手間が生じてしまう。
そこでBrightcoveは、Web上の各メディアでの動画を一元管理できるプラットフォームになろうと目指している。まずはYouTubeとの連係を果たしたが、今後も動画サイト・ソーシャルメディアなどとの連係を強化していく計画だ。
また「さまざまなところで視聴可能」という意味では、モバイルでの動画視聴は無視できない。まだスマートフォン経由の動画視聴は全体の1~5%程度に過ぎないが、目覚ましいペースで成長中。2013年までにスマートフォン経由の動画視聴のトラフィックは66倍になるとするレポートもある。早い段階から対応しておいて損はないはずだ。
日本では動画解析へのニーズが高い
続いて、「ビジネスバリューをさらに後押し」という視点から、下記のような強化が施されている。
- 動画のパフォーマンス分析ツールの強化…従来版ではFlashでの配信ログのみの解析だったが、Brightcove 5ではHTML 5での配信ログも解析の対象に。また、新たに12種類のレポートを追加。検索語ランキング、リファラー、外部サイトでのドメイン別動画再生数などを把握できるようになった
- マルチビットレートストリーミングおよびDVRライブ配信…マルチビットレートストリーミングに対応し、ユーザーのデバイス・帯域・ランタイムなどに合わせて最適化。ライブイベント直後からVOD利用可能に。従来は不可能だったライブ配信時の広告掲載にも対応
日本の顧客から要望が強かったのは動画解析の機能。動画の効果を分析するため、強化してほしいという要望が多かったのだとか。一方、アメリカでは流入元の検索ワードを分析したいという声が大きかったという。
「アメリカは日本よりも強烈にSEOを意識して、細かいキーワードも意識しています。リスティング広告でも集客できますが、自然検索で上位に表示されることで、ビジネス的により優位に立てると考えているようです。リファラーや検索ワードなど、流入経路の分析も重視されています。昔は動画を置くだけで検索順位が上がり、ユーザーも喜んでくれましたが、競合企業も動画を置くようになりました。ビデオを改善して、競合よりも良いものを作ることが必要になっています。どういうビデオを置くとバリューを出せるのか、流入経路も含めて分析したいという要望が多くなっているのです」(須賀氏)
なお、Brightcove 5のパフォーマンス分析ツールは、Adobe SiteCatalyst、Google Analyticsなどのログ解析ツールと連係。日本産の解析ツールとの連係も実現に向けて調整している状況だ。