根強い人気を誇るマイクロソフトの広告ネットワークがさらに拡大
bingというと第二、第三の検索エンジンだというイメージがあるかもしれませんが、実は旧MSN時代から重要な広告ネットワークを欧米市場に提供してきました。日本でも検索エンジンによってユーザー・プロフィールが違うように、欧米ではエンターテイメント系やEコマース系など、業種によってはGoogleのAdWordsよりも多い予算をマイクロソフトに投資している企業も存在します。それが、今回の提携でさらに市場を拡大し、どの企業にとっても無視できない広告サービスネットワークになりました。

日本のヤフーとグーグル提携では、広告のアカウントは引き続き個別の設定になりそうですが、欧米ではマイクロソフト側に統一されます。既に米国市場向けキャンペーンをYahoo!とマイクロソフトで行なってきた方は、下記の点に対応してください。
- マイクロソフトのアドセンターにアカウントを統一
- アドセンターの広告ネットワークを確認し、設定
- アドセンターのアカウントでYahoo! ネットワークもカバーできる様、広告予算を調節
これで、アドセンターに設定した広告がマイクロソフトとYahoo!両方の広告ネットワークで表示できるようになります。マイクロソフトとYahoo!には必ず広告が表示されますが、広告ネットワーク内の他サイトについては、リストから広告を表示させるサイトを選ぶ事ができます(詳細はアドセンターのサイトを参照ください)。
Yahoo!とマイクロソフトの広告サービスにはいろいろな違いがありますが、移行後に両社のサービスがすべて使えるわけではありません。Yahoo!の主なサービス内容がマイクロソフトのアドセンターではどう提供されるか、まとめてみました。
年内は北米市場に焦点、欧米市場は来年以降にサービスの移行

米国とカナダでは、7月頃からbingの検索結果がYahoo!で徐々に見られるようになり、広告も段々と試験的に表示されるようになりました。この試験期間を終え、10月中旬にはほぼ全体的なサービス移行が完了。11月の感謝祭後に年末商戦が本格的に始まることもあり、今年一杯は移行したサービスのメンテナンス/改善に努め、ヨーロッパ市場への展開は来年に入ってからになるそうです。
サービスの移行はモバイル検索でも進行中です。Yahoo!サイトの検索結果に「Powered by bing」や「bing for mobile」と表示され、マイクロソフト・アドセンターの広告が表示されるようになります。
10月にニューヨークで開催されたSearch Marketing EXPOでは、マイクロソフト/bingのエネルギーがセッションでも展示場でも感じられました。それも大企業的な一方通行ではなく、ユーザーの意見や希望を重んじる姿勢がどこでも見られ、2000年前後のGoogleの活気が思い出されました。提携だけでなく、より良いサービスの提供で欧米検索市場のシェア拡張が今後大いに期待できそうです。