ニワンゴは、動画再生に対してリアルタイムでコメント字幕を付けられる「ニコニコ動画(γ)」のサービスを6月15日(金)に終了し、同時に「ニコニコ動画(RC)」としてサービスを開始することを発表。大幅なサービスの改善とともに、有料のプレミアム会員制度を新設する。
「ニコニコ動画」は、YouTubeやAmebaVisionなどの動画投稿サイトで公開されている動画に対して、「ニコニコ動画」のサイト上で、字幕コメントによって突っ込みを入れて楽しむサービス。サービス開始から爆発的な人気となり、そのあまりの加熱ぶりに、今年2月にYouTubeが「ニコニコ動画」からのアクセスを拒否したことなどから、一時サービス停止に追い込まれていた。しかし、3月6日からクローズドガンマサービス「ニコニコ動画(γ)」を開始。今度はYouTubeなどに頼らず、自前の動画投稿サイト「SMILEVIDEO」を開設。サービス開始から72日目でID登録ユーザー数が100万人、5月の月間総ページビューは約9億3,500万、コメント数はサービス開始時からトータルで1億1,500万を超えるなど破竹の勢いだった。
しかし、5月15日にニワンゴの親会社ドワンゴが発表した平成19年9月期中間決算発表で、同社の主力サイトである「dwanog.jp(メロ)」の会員数の減少と「ニコニコ動画」などに対する先行投資によって、平成19年9月期の連結業績は、営業損失7億円、経常損失7億円、当期純損失19億円となる見通しであることを発表。爆発的な人気と裏腹に、「ニコニコ動画」サービスを維持しつつ、早期に収益化することを迫られていた。
新しい「ニコニコ動画(RC)」は、サービス開始以来はじめて、クライアントのインターフェースを一新し、「いま、このときの」コメントを記録できるタイムマシン機能など、数々の新機能が投入される。また、有料の「プレミアム会員」を新設し、より快適な専用サーバの利用や動画投稿サイト「SMILEVIDEO」へのアップロード容量の増加など、さまざまな特典を用意する。課金システムは、クレジットカード決済による月額課金(月額525円)、WebMoney による90日チケット(1,680円)があり(いずれも税込)、さらにモバイルEdy やコンビニエンスストア決済にも順次対応していくという。また、現在「ニコニコ動画(γ)」のID登録をしているユーザーは、そのまま「ニコニコ動画(RC)」でも、無料会員としてサービスを利用することが可能となっている。
また、ニワンゴはニコニコ普及委員会による「ニコニコ宣言(仮)」なるものを発表。ニコニコ動画がどのようなコンセプトで企画され、どんな問題を含み、また今後どのように発展していくのかを、4つの宣言にまとめたものとなっている。
プレスリリース:「ニワンゴ、「ニコニコ動画(γ)」のサービスを6月15日に終了 同日より「ニコニコ動画(RC)」サービス開始」