マーケティングを顧みた時に、とくに「誰に」という問いに対して即座に答えが浮かばなかったり、答えが曖昧になるようであれば、自分自身のポジションが明確でないまま、マーケットへ飛び出していることになる。どんなにサービスが優れていて素晴らしい広告を打ち出していたとしても、ターゲットを誤っていたとしたら、待てど暮らせど顧客は網にかかってこないだろう。
まず、見込み客に照準を合わせるために「理想の顧客像」を明確に定義すること。年齢・性別・職業・収入・住んでいる地域・嗜好・価値観・ライフスタイルまで、考え得るベストな条件を兼ね備えた顧客とはどのような人物だろうか? どのようなシチュエーションで検索エンジンを訪れ、どのような問題を抱えてランディングページを訪れるのだろうか? これらの点を再考していただきたい。
ただし、理想と現実にギャップが生じるのは恋愛でもマーケットでも同じ。ここでは、現実を見据えた上で理想を追求することが、的確なマーケティング戦略を打ち立てるコツと心得たい。現実を把握するために、ここでもまた、Web解析のデータを蓄積、分析しておくことが非常に有効な手段となる。
サイト(企業)ごとのデータベースと組み合せることで、自分たちがターゲットとすべきマーケットを明確にすることもできる。例えば30代男性をターゲットに広告を打ち出しているはずなのに、実際のデータを見ると20代女性が半数以上のコンバージョン数を占めているとしたら、そもそも戦っているマーケットが間違っていたか、理想の顧客像を20代女性へとシフトさせるべきである。
サイト内検索データとの融合
さて、ユーザーニーズと顧客像が把握できたところで、はたしてコンバージョン率を向上させることができただろうか。おそらく、それらの情報や分析のみではいずれ効果改善に限界が生じるだろう。というのも、「検索エンジンで検索されたキーワード=ユーザーがサイトに求めている情報」とは限らず、また、Web解析のデータから、どのページでユーザーが離脱したのかを知ることができても、なぜそのページから離脱したのか、本当はどのような情報をユーザーが求めていたのかを知り得ることは難しいからだ。
それらを知るための手段の一つとして、「サイト内検索」がおすすめである。サイト内検索で検索されたキーワードとWeb解析データを組み合わせることによって、より正確な訴求ポイントの抽出、ユーザー傾向の把握、さらなるランディングページ最適化が見込める。
例えば、サイト内検索のキーワードから、ユーザーが求めているモノを抽出することができる。検索キーワードに合わせてリスティング広告の広告文やランディングページ内の文言の表現を統一し、ユーザーと目当てとする情報とのマッチングを図ろう。自社固有のサービス名称が一般に周知されているものと勘違いし、「ランディングページのメイン訴求=サービス名称」としているケースがよく見られる。しかし、よほどのブランド力を武器にできる大企業でない限り、ユーザーが目的としているのはサービスそのものではないことをお忘れなく。ユーザーが探しているのは、自身が抱えている問題を解決してくれる解決策なのである。
このように、オールマイティな回答が存在しないLPOとはいえ、継続的に効果を持続し続けたいと考えているのなら、根拠のあるWeb解析のデータは独りよがりなランディングページの防止策として最適である。さらに、サイト内検索のキーワードと組み合わせて、ユーザー自身でさえ気づいていない問題や解決策をあぶり出してみてはいかがだろうか。