3年連続の前年割れも、下げ止まりの傾向
電通が発表した「2010年(平成22年)日本の広告費」によると、昨年2010年(1~12月)の日本の総広告費は5兆8427億円、前年比98.7%。2008年、2009年に続いての前年割れとなったが、2009年の11.5%減と比べると、マイナス幅は1.3%と大幅に縮小した。
媒体別では、「テレビ広告費」は前年比101.1%と増加したが、「新聞広告費」は94.9%、「雑誌広告費」は90.1%、「ラジオ広告費」は94.8%と減少し、「マスコミ四媒体広告費」は98.1%で6年連続して前年を下回った。一方、BSデジタル放送などの増加で「衛星メディア関連広告費」は110.6%と2ケタの伸長。「インターネット広告費」は109.6%と大幅な増加となった。
インターネット広告費は、前年比109.6%の7747億円
2010年のインターネット広告費は、前年比109.6%の7747億円。うち、媒体費は前年比111.5%の6077億円で、モバイル広告費1201億円、検索連動広告費(PC)2,035億円。インターネット広告制作費は103.0%増の1670億円となった。
2010年はSNS(ソ-シャル・ネットワーキング・サービス)やミニブログ、動画共有サイトなどのソーシャルメディアが注目され、広告媒体としても存在感を高めて活況を呈した。ウェブ(PC)広告のうち、検索連動広告は、「金融」「不動産」「旅行」「流通」などが好調で市場は引き続き拡大、年末にはクーポン共同購入サイトといった新しいサービスが登場して広告出稿の拡大に寄与し、2035億円(前年比119.0%)と引き続き成長した。
モバイル広告は、大手CP(コンテンツ・プロバイダー)系広告主に加えて、SNS系の広告主が急成長し、市場も1201億円(前年比116.5%、モバイル検索連動広告を含む)と大きく成長。モバイル検索連動広告市場も、モバイルにおける検索行動の浸透・定着により大きく成長し、前年比127.2%の285億円となっている。
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