AdMobの買収によってどのようなシナジーが生まれているのでしょうか?
昨年の5月27日にAdMobの買収が完了したので、約1年が経過しました。そして、1年をかけて移行を進めてきました。AdMobの買収は、Googleのモバイルビジネスにおいて、大きく2つ明確な意義があったと考えています。
まず、Googleの側から言えば、これまでAdMobが構築してきた貴重な知見を得られたということです。特にアプリ開発者やサイト運営者の方々との間で、AdMobは大きな知見を積んできたと感じています。例えば、どういう風に作ったアプリやサイトに広告を表示すればいいのか。アプリを作る際であれば、どういうアプリがリッチメディア広告に合致するかといった点です。こうしたことは、アプリの開発者の方々と緊密に連携をとることで得られる知見であり、我々にとって非常に重要であると考えています。
次に、GoogleがAdMobに対して何を提供できたかということに関してですが、これはやはりビジネス規模の拡大に貢献できたことではないかと考えています。Googleは非常に大きなインフラを抱えていますし、多くのチーム(人員)も存在します。また、既に多くの広告主やサイト運営者の方々との関係が構築できています。そうしたGoogleが持っていた既存の関係を、今後AdMobに対して十分に提供できると思っています。
日本においては、サーチ/ディスプレイ広告共に、素晴らしいビジネスを確立できています。Googleとしては、AdMobを広告主・代理店の方々にいかに使っていただけるのか、十分に経験を積んできたと思っていますし、AdMobを買収してビジネスを統合できたことを我々も大変喜んでいます。もちろん、この先もAdMobがGoogleの中にしっかりと入り込むという形で、統合は進められていくでしょう。Googleのこれまでの関係を活かして、さらにAdMobのスケールアップをしていくつもりです。また、今後も新しいフォーマットや商品の革新・提供を続けていくことで、広告主やサイト運営者の皆様の新たなニーズを満たしていきたいと考えています。
AdMobとAdWordsの統合の可能性は?
可能性はもちろんあります。先ほど、3つの原則に基づいてモバイルのビジネスを進めていると言いましたが、そのうちの1つ目「シームレス」ということに当てはまると思います。例えば、キャンペーンを行うときに1カ所で行えるようにするということがシームレスということになるので、可能性はあります。
日本のWebマーケターにメッセージをお願いします
まず、我々は日本の方々と良い関係が築けていることに、とても喜んでいます。Googleにとって、日本という国は非常に重要な国であると位置づけています。なぜなら、モバイルの世界において、日本はいろいろなことを学ばせてくれる国であったからです。例えば、日本はモバイル広告を開始した最初の市場の1つでもありますし、携帯やスマートフォンを常にテクノロジーで引っ張ってきたのが日本だと考えています。
ここにきて日本では、これまでのフィーチャーフォンからスマートフォンへの移行が、まさに今起きつつあります。だからこそ、皆様にはユーザーの立場で考えていただきたいと思います。ユーザーがスマートフォンを使うのは、情報を探したい、Webにアクセスしたい、アプリにアクセスしたいという気持ちがあってのことです。ですから、自社のブランドのランディングページがモバイル・スマートフォン対応になっていなければいけないですし、サーチ広告やディスプレイ広告のキャンペーンを行うときにも、きちんとスマートフォンの特性を考えたうえでキャンペーンを行っていただきたい。
ユーザー側がスマートフォンというエコシステムを拡大し続けている、まさに今というタイミングを逃してほしくありません。このエコシステムの発展と共に、さまざまなことを皆さんには学びとっていただきたいと願っています。
