Web解析を用い、継続的にユーザーシナリオを最適化する
前段で述べたターゲット別のユーザーシナリオですが、マーケットリサーチを深耕できている状態を除き、初期状態はこれまでのサイト運営実績や経験から導き出された「仮説」となります。
この「仮説」から最適化活動(PDCAサイクル)を始めていくのだと理解する必要があり、ここでは、最適化活動をスムーズに推進する手段としての「Web解析」について紹介します。
まず、Web解析と聞いて何を想像されるでしょうか? 大多数の方はGoogle AnalyticsなどのWeb解析ツールを用いた分析を想像されるかと思います。
本コラムではランディングページの最適化がテーマですので、一般的なページ間遷移の分析にとどまらず、「同一ページ内で、どのような訴求やコンテンツが響いたか?」を分析可能なWeb解析の手法「ページ内ユーザー行動解析」についてご紹介をしたいと思います。
一言で「ページ内ユーザー行動解析」と言っても、どのような機能を持ったツールを活用したら良いのか判断が難しいかと思います。一例ではありますが、以下のような機能を持つツールを用い、左脳的アプローチより最適化を試みてみてはいかがでしょうか?

上記例題から解るとおり、ページ内でのユーザー行動解析ツールから読み解ける事象を元に、最適化活動を推進していきます。コンテンツ位置の移動だけの最小施策でも成果向上に結び付いた事例も多々あります。思い込みや主観による最適化活動ではなく、数値を読み解きページ内のユーザー行動を効率的に最適化していくことが出来るようになります。
ただ、ツールを導入すれば最適化活動を推進していけるわけではありません。「数値」を「読み解く力」と「仮説を実行する力」を養う必要があることを念頭に置き、一つひとつ歩みを進めてゆきましょう。
「ユーザーシナリオ最適化」3つの掟
ページ内ユーザー行動解析からユーザーシナリオの改善仮説を導きだした後、継続的な効果改善活動へと突入していきます。PDCAサイクルの回し方次第で改善スピードは大きく変化します。「掟」を踏まえた改善活動を実施されていくことをお薦めします。
掟1~成果へのインパクト、実現角度のプライオリティで課題を分類する
まず、改善施策が浮かぶ課題と、浮かばない課題の2つに分類します。さらに、その中で成果インパクトが高いと想定出来る、また実行難易度が低い、実行スピードが速い、などの観点で分類を行います。基本、この分類方法で施策順番が確定します。

掟2~改善仮説は一つ一つ検証する
問題点が明確になっているのだから一度にすべての問題を解決したい、と思われるお気持ちはよくわかります。結果として1度目の改善施策はそこそこの成果を残すでしょう。
しかしながら、更なる改善を行おうと志向した際に壁にぶち当たります。「どの仮説がどれだけ響き効果を改善出来たのか?」が紐解けないのです。正しい仮説の中に間違った仮説がノイズとなり、2度目以降の改善スピードや改善角度がぶれ始めます。
そうならないためにも改善施策は一つひとつ、仮説から検証までの“過程”を重視し施策を推進していきましょう。
掟3~間違った仮説実施は、早急な見直しを
「数値」重視の仮説立てでも、時に成果を減退させる結果となってしまうこともあります。成果に結び付かなかった「仮説」は、新たな「仮説」立てを行い、再チャレンジをしていきましょう。
勝敗付けは、統計手法などを用い明確な結果を導き出されることをお薦めします。
LPOで得たKFSは、他のマーケティング施策へと展開
ご紹介してきた最適化活動によって、その検証過程や導き出されたターゲット別に最適化されたユーザーシナリオは、貴社にとって大きなマーケティング資産です。
他のマーケティング施策(Webサイト、プリントメディア、電波メディア等)実施に際し、LPOで得たユーザーシナリオのKFSを横展開し活用を志向していくことで、投資効率の高い活動を推進していけるでしょう。