Twitterの人気キャラ「Anna」誕生秘話
Q. Annaのキャラクターはどのように設定したのですか?
Anna自体は世界各国でWebサイトに登場しているのですが、日本のキャラクター設定をするにあたり、履歴書を作りました。ちょうど三谷幸喜さんのインタビューをテレビで見て、“脚本を書くときに登場人物の履歴書を作っている”ということを知り、取り入れてみようと思いました。こうするとキャラクターがぶれないだろうと考えたので。
社内公募に応募して日本のイケアで働くようになった”など、略歴から趣味まで、想定顧客層である小さいお子さんを持つファミリーに近い設定で細かく記載されている

ここまで綿密に作ったのは、Twitter上でのトーン&マナーの基準にしてもらいたかったからです。Twitterで「ディル(スウェーデンでよく育つハーブの一種)を作りすぎたのですが、どうしましょう?」と話しかけられたこともありますが、その際、Annaはディルを使ったレシピや保存法を教えてあげたりしました。Annaのプロフィールは、コミュニケーション時の指針として活躍しています。

また、Twitterとブログの運用を始める際に、社内イントラ内の人事告知ページでAnnaのプロフィールを紹介しました。イケア・ジャパンのHRマネージャー、カスタマーリレーションマネージャー、コンタクトセンターマネージャーからサインをもらったり、実際に働いているような写真を付けるなど、かなりリアルにこだわりました。おかげで社内でも話題になり、注目度が上がりましたね。ソーシャルメディア活用に関する社内向け資料も、そこに掲載しています。

Q. コミュニケーションガイドラインは策定されていますか?
イケア自体のWebやカタログなどのトーン&マナーとして「友達のお母さんに話しかけるように」という基準が決まっているのですが、その他に次の3点だけ決めています。
- 「イケアのコンセプトをよく理解し、明るく楽しく表現すること」
- 「ネガティブな表現および内容は決してツイートしないこと」
- 「会社の秘密事項をツイートしないこと」
これ以外には、コミュニケーションガイドラインのようなものはありません。どうしてこれだけなのかというと、運用を始める前に、様々な企業のガイドラインを見たのですが、10ページほどある詳細なガイドラインを見て、あまり実用的じゃないと感じたからです。
社内体制が盤石であれば、何も問題は起きないと思います。炎上は社内が原因で起こることが多いでしょうから。Annaのプロフィールにも「ご質問には積極的にお答えしますので、お気軽に話しかけてくださいね!」と書いてあるように、答えにくい質問でも極力答えるようにしています。どう切り返そうか考えるのも、腕試しみたいで楽しいですよ。
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『ロングエンゲージメント なぜあの人は同じ会社のものばかり買い続けるのか』(あさ出版)
HowTo本ではないのですが、ソーシャルメディアを活用する前提となる考え方が学べます。 -
『ソーシャル・メディア戦略論 Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2011年 04月号』(ダイヤモンド社)
少し古い記事もあり、理論中心ですが、それでも参考になるところが多く、いろいろな気付きがありました。 -
『ソーシャルメディア・ダイナミクス ~事例と現場の声からひもとく、成功企業のソーシャルメディア戦略~』(毎日コミュニケーションズ)
具体的な進め方などが解説されていて、わかりやすかったです。