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MarkeZine Day 2025 Autumn

担当者に聞く! 成功キャンペーンの裏側

対象商品売上が全世界トップに!
mixiソーシャルバナーを活用した「NIKEiD FRIEND STUDIO」キャンペーンの全貌

プレミアムな体験をmixi上で ― 「NIKEiD FRIEND STUDIO」の全容

 まずは、キャンペーンの全体像を俯瞰してみよう。

「NIKEiD FRIEND STUDIO」キャンペーン
  • キャンペーン期間:2011年5月31日~6月20日(計21日間)
  • デバイス:PC/モバイル

 ユーザーは、mixi上のキャンペーンページに用意されたジェネレートツールで、自分自身のオリジナルシューズを作成し、キャンペーンに参加。作成したシューズのデザインは「mixiチェック」を使って友人と共有できるほか、そのシューズを宣伝するためのバナー広告を作ることができる。バナー内の配色やタイトルテキストを調整することで、自分の名前やプロフィール写真が入ったオリジナルの「ソーシャルバナー」が完成。作成されたバナーはマイミクのホーム画面の広告枠に表示される。

3種類のモデルから選んでシューズをカスタマイズ
3種類のモデルから選んでシューズをカスタマイズ
さらに自分でカスタマイズしたシューズがバナーに
作成したバナーは、友人のページに表示される
さらに自分でカスタマイズしたシューズがバナーに 作成したバナーは、友人のページに表示される

 キャンペーンページではマイミクの作品を閲覧でき、デザインを評価し合うための「COOL!」ボタンも用意された。閲覧したユーザー5人以上から「COOL!」の評価をもらうと、NIKEiDギフトカードや海外旅行などが当たるキャンペーンに自動でエントリーされる仕組みだ。

キャンペーンページでは作成したシューズの閲覧ができるほか、
お互いのシューズを「COOL!」ボタンで評価できる仕組み
キャンペーンページでは作成したシューズの閲覧ができるほか、お互いのシューズを「COOL!」ボタンで評価できる仕組み
カスタマイズ性を楽しんでもらえるよう、対象となる年齢層に人気の高い「Nike Dunk」のHigh(写真左)/Lowと、ランニング用シューズとして人気の「Nike Free Run +2」(写真右)の3つが、NIKEiD FRIEND STUDIOの対象モデルとして選定された
カスタマイズ性を楽しんでもらえるよう、対象となる年齢層に人気の高い「Nike Dunk」のHigh(写真左)/Lowモデルと、ソールや靴幅まで変更できるといったランニング用シューズとして人気モデル「Nike Free Run +2」(写真右)の3つが、NIKEiD FRIEKO STUDIO対象用のモデルとして選定された

 このキャンペーンの狙いは、これまでNIKEiDを体験していないユーザーにカスタマイズを楽しんでもらうことだったと語る西村氏。制作に先駆け、ナイキジャパンから出したオーダーは、大きく分けて次の3つだったという。

  1. NIKEiD本サイトと同じ、プレミアムな体験を提供
  2. NIKEiDを知らないユーザーも対象となるため、簡単な操作で楽しめる工夫
  3. NIKEiDサイトに来て、購入までつながるような仕組み

 このオーダーをうけ、バスキュール号ではNIKEiD本サイトと遜色のないトーン&マナーでキャンペーンページを構築。さらに、初めてのユーザーにとって、細かいカスタマイズは難しすぎて途中で離脱される懸念があったため、「シャッフルボタン」を設置し、簡単に試せるよう工夫した。また、プレゼント型キャンペーンという位置づけではあったが、NIKEiDがECサイトである以上、購入までの導線もスムーズになるよう設計された。この他に、細かいクリエイティブにも気を配ったという。

「まず気をつけたのは、“誰に何を伝えたいのか”ということです。ソーシャルバナーの意義を考えても、一部の人にしか興味をもってもらえないものにはしてはいけない。これまでの広告では振り向いてもらえなかった多くの人々に体験してもらえるものを作るんだ、という思いだけは忘れませんでした。

そう考えたとき、人々に喜んでもらえるコンテンツは、まさにNIKEiDという素晴らしいサービスそのものであり、それを少しでもシェアしたくなる仕立てにしてあげればいい、と。インターフェースの開発にあたっては、できるだけ悩ませずに、カスタマイズしたシューズをシェアする段階までもっていき、互いに『COOL!』ボタンを押し合いたくなる仕立てを心がけました」(朴氏)

 NIKEiDのサービス性を理解してもらえれば、必ずヒットすると確信していたという朴氏。せっかくシェアしてくれた人が、友達から「何故、広告なんかシェアしているの?」と思われないために、『本物』であるということにこだわったという。バナーのデザインも、ブランドの世界観を保ち、通常NIKEのバナーで利用されるようなシンプルなものの中に、友達の名前のアニメーションが登場する、ある意味『ベタ』な演出に決定した。結果、NIKEと友人がコラボレーションしているような、「本物としての違和感はないが、友人と絡んでいる遊び的な感覚がおもしろい」バナーが完成した。

【通常のバナー広告との比較】
ユーザーとNIKEiDがコラボレーションしたような見栄え
【通常のバナー広告との比較】ユーザーとNIKEiDがコラボレーションしたような見栄え

 NIKEiDのサービス内容とmixiという巨大プラットフォーム、バスキュール号が作ったNIKEiD本サイトと遜色ないクリエイティブ。形が見えてきたキャンペーンに対し、「これはうまくいく」と西村氏は確信したという。しかし、キャンペーンの結果は、その予想を大きく上回るものとなった。

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来訪者数/CTR/トラフィック/売上/ブランド認知、すべての数値で驚異的な結果に

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この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

1983年生まれ。成蹊大学経済学部卒業。大学卒業後、大手IT企業にてレンタルサーバーサービスのマーケティングを担当。その後、モバイル系ベンチャーにてマーケティング・プロダクトマネージャーを務める傍ら、ライター業を開始。旅行関連企業のソーシャルメディアマーケターを経て、2011年1月Writing&Marketing Com...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2011/07/28 11:00 https://markezine.jp/article/detail/14149

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