ECサイトにおけるコンテンツ
ECサイトに存在する情報を大きく分けた場合、次の3つに分類できる。
- 「商品情報」
- 「コンテンツ」
- 「企業情報その他、購入に関わる各種情報」
ECサイトは、商品を販売するサイトなので「商品情報」をメインに情報を掲載するのだが、関連情報(コンテンツ)が少なすぎると、単なる“買い場”としてのサイトになってしまう。
競合がひしめく中、単なる買い場では、お店に興味を持ってもらえない可能性があり、また、後日の再来店が期待できない場合もある。魅力的なお店にするためには、お店・商品を演出する「コンテンツ」が必要になる。
商品自体を魅力的に演出する周辺情報(コンテンツ)を設置し、ユーザーが購入したくなるような情報商品詳細ページを作成する場合のアイデアについては、第3回を参照。
こうした最終的に購入の後押しとなるような「コンテンツ」を提供する事は、他社ではなく、自社で継続して商品を購入してもらうための“買い物体験の提供”でもある。
コンテンツを提供していく場合においても、予算の関係上、むやみに追加していくことはできない。そこで、顧客ランクに応じて顧客を区別し、コンテンツの役割を明確にした上で提供していくというのが、顧客マネジメントの考え方である。
今回は、第1回で準備した「EC用顧客マネジメント戦略策定サポート表」をもとに、顧客ランクに応じた具体的なコンテンツ例を考えていきたい。
方針と視点
コンテンツ例を考えるにあたり、次の3つの方針を設定した。
- 方針1. お店のFANをつくる
- 方針2. 新規顧客数を最大化する
- 方針3. 既存顧客を定期的に来店させる
また、コンテンツの役割については次のような視点で考える。
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お店の価値を伝える
このお店ならではの「価値」 = 「競合優位性」を明確にする -
商品への気づきを与える
購入する商品がまだ決まっていないお客様に対して、コンシェルジュとして商品をレコメンドする -
購入の後押しをする
“購入の決心がまだ”というお客様に対して、品質の裏付けや評判などで多角的に商品を訴求する -
お店を好きになってもらう
特別なおもてなしをしたり、ユーザーが参加できる場所を提供したり、タメになる情報を提供することで、また来店したくなるようにする
【方針1】お店のFANをつくるための顧客ランク別コンテンツ例
サポート表でいうとa、b、fの部分にあたる。
ECサイトは商品を購入する場所なので、商品に対する興味・関心や購入目的がないユーザーがそもそもサイトに訪問する事は少ない。従って、FANをつくるために提供するコンテンツは、ある程度、商品に対する興味・関心や目的意識の高いユーザーを対象とする。ユーザーが広告やクチコミ、検索エンジン経由でECサイトに訪問した際に、いかにサイトに興味を持ってもらうかが重要となる。
「お店を好きになってもらう」 × 「サイト訪問者(a)」のコンテンツ例
ワンクリックアンケート
サイト訪問者に対して、会員登録なしで気軽に参加してもらえるワンクリックアンケートを設置。緩やかなコミュニケーション接点として利用。ある程度アンケート結果が溜まれば集計を行い、商品を推薦する内容を選出して読み物ページとして編集することで「商品への気づきを与える」事が可能となる。
検定(クイズ)コンテンツ
サイト訪問者に対して、会員登録なしで気軽に行なってもらえる検定(クイズ)コンテンツを設置。緩やかなコミュニケーション接点として利用。商品に関する問題や内容にすることで、興味喚起・商品購入の気づきを与えることも可能になる。
お役立ちコンテンツ(レシピ、コラムなど)
食品・飲料品、健康・美容関連の商品などを販売しているECサイトの場合、販売している商品を材料とした目的別お料理レシピを提供。また、専門家による生活アドバイスコラム等のお役立ちコンテンツを提供することにより定期的な訪問が期待できる。
「お店の価値を伝える」 × 「サイト訪問者(a)」のコンテンツ例
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企業活動、こだわり
企業理念やCSR活動、安全・安心への考え方、商品ヒストリーなど、企業姿勢を紹介するコンテンツ。 -
動画チャンネル
TVCMや代表のメッセージ、企業としての通販への取り組み、開発者・生産者の声、ユーザーボイス、商品の特徴・使い方を説明した動画など、あらゆる動画を集めたコンテンツ。