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データドリブン視点のサイトリニューアル実践法

KPIを上手に活用する3つの視点─ データドリブン視点のサイトリニューアル実践法第3回


【視点3】コンバージョンファネルの浸透~意思統一、目標の明確化による「PDCAサイクルの高速化」~

 これまで作成されたコンバージョンファネルと基本KPIから派生した詳細KPIを見ることで、どこに問題があって、どうすれば数値が改善されるか、が簡単にわかるようになるはずです。

 そして、このコンバージョンファネルを浸透させることで、ファネル内にある数字を上げる、という単純な目標に対する施策を実施すればよいので、全員の目標意識が統一され、ブレずに同じ方向を向いたWebサイトの運用ができるようになります。

PDCA運用の一般的なフロー
PDCA運用の一般的なフロー

 例えば、期間限定のキャンペーンサイトを上げる場合も、上記のフローで行うことが大切です。そのキャンペーンにおいて、コンバージョンファネルのどこの数字を上げるのかをまず決めます。コンバージョンアップなのか、カート・フォーム進入数アップなのか、はたまた単純に流入数やメール登録数を稼ぐのか。このように目標数値を明確にすることで、施策の効果が測りやすくなり、キャンペーンにかけた費用に対する効果を測ることもできます。

KPI活用の3つのアドバイス

 最後に、KPI活用における3つのポイントを紹介いたします。

 まず一点目は、どんなにすばらしいものさしを作っても、それが使われないのでは何の意味もないということです。毎月、もしくは必要な頻度で数字を更新し、数字をしっかり分析し、それをチームメンバーに周知できるような環境を作ることが大切です。一人だけ見ている指標が異なる、独自の分析をしているという場合、施策の被りや、精緻な効果検証ができなくなるといったことが発生してしまい、このコンバージョンファネル自体が成り立たなくなってしまいます。

 全員が同じ目線で、同じ目標に向かい日々運用していくことが重要なのです。コンバージョンファネルは、あくまでそれを支援するための一つのツールにすぎません。

 実際、PDCA改善を適切に行える体制を構築できたプロジェクトでは、半年間で20個以上の戦略、80以上もの具体的な施策に落とし込み、施策の実施~効果検証までのPDCAを数多く実施しました。

 総合申込フォームのフロー改善で完了率80%アップ、新規申込ユーザー向けのページ改善で申込フォーム進入率20%アップ、主要キャンペーンページの改修でCVR20%アップなど、小さな数字の積み重ねかもしれませんが、総合的に、Webサイト全体のCVRを33%アップさせることに成功しました。

 二点目は、データにピントを合わせるのではなく、データを生み出している人の行動にピントを合わせることを忘れないことです。KPIはただの数字の羅列に過ぎず、傾向やボトルネックをつかむために利用できる道具であり、その後の深堀分析の方が重要です。

 ユーザの行動や、ユーザビリティ、デザイン、サービスや商品の魅力…データには出てこない部分にも、重要な改善ポイントは必ずあります。データに使われるのではなく、一つの視点としてデータを活用するという認識を忘れてはなりません。

 そして三点目は、取得できる数値はアクセス解析ツールの機能に左右されるということです。必要なKPIが、場合によっては取れないとうことも多々あります。その場合、サイトのボトルネックを抽出する、といった本来の目的を果たすことができません。

 まずは、解析ツールは何のために入れているのか? ということを自問自答してください。アクセス解析ツールで測れる数字を見ていくのではなく、KPIを測りたいからアクセス解析ツールを入れるのです。

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この記事の著者

株式会社アイ・エム・ジェイ / Marketing & Technology Labs(カブシキガイシャアイ・エム・ジェイ マーケティングアンドテクノロジーラボ)

株式会社アイ・エム・ジェイのMarketing & Technology Labs(以下、MTL)は、IMJグループにおいてData Driven Marketingの実現を通じて、クライアント企業のデジタルマーケティングを支援するマーケティング・サービス・プロバイダー(MSP)です。

データプラットフォーム設計やマーケティングROI最大化のための最適化コンサルティングサービスを提供します。

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MarkeZine(マーケジン)
2012/10/26 14:56 https://markezine.jp/article/detail/14486

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