クリック率5.7倍!「ぐるなび」の事例
トライアルの背景
「ぐるなび」では、iOS/Androidからのアクセスが、ここ一年で急激に伸びています。そのため、スマートフォンからの閲覧に対して最適な表示ができるようサイトを最適化したり、スマートフォン向けアプリを提供したりするなど、スマートフォンユーザーの利便性向上に精力的に取り組んでいます。
出典:株式会社ぐるなび 2012年3月期 第1四半期 決算補足説明資料

その中で、スマートフォン向けEメール配信に関しては、まだ本格的には着手していない状況です。そこで今回、「ぐるなび会員」にぐるなび加盟店(飲食店など)への来店を促進するメールマガジン「ぐるなびグルメニュース」を、スマートフォン向けに最適化するトライアルを実施しました。
トライアルの内容
ぐるなびでは、まだ本格的なスマートフォン向けEメール対応は行っていないため、スマートフォンユーザー専用のEメール配信パーミッションはとっていません。そのため、スマートフォンを利用しているぐるなび会員にも、PC向けに作られた「ぐるなびグルメニュース」を配信しています。
今回の検証にあたって、第1回で紹介した当社実施のアンケート結果から「PCでメールを受信している会員よりもスマートフォンでメールを受信している会員の方が、反応が高いのではないか」という仮説を立て、スマートフォンユーザーとPCユーザーの反応を比較してみました。
トライアル内容としては、「PCメールの配信パーミッションを取得している会員」の中から、「i.softbank.jpのドメインを登録しているユーザーをiPhone保有者」として、スマートフォン(iPhone)最適化メールを配信しました(※注1)。
また、比較対象として、「PCメールの配信パーミッションを取得している会員」の中から、i.softbank.jpドメイン(iPhone保有者)“以外”の会員に、従来どおりのPC向けHTMLメールを配信しました(※注2)。
テストトライアルのため、居住地を「東京」とご登録いただいている会員のみに配信。
スマートフォン(iPhone)最適化メール同様、居住地が「東京」の会員が対象。配信数は、「東京」在住者の中から、スマートフォン(iPhone)最適化メールと同数をランダムに抽出し、コントロールグループとして設定。
配信メールのクリエイティブ
Eメール内には、両グループとも同様のコンテンツを掲載。東京都港区新橋にある「完全個室居酒屋 おば九 KAKURE」様にご協力いただき、店舗への来店を促すコンテンツを配信しました。
スマートフォンユーザーには、可読性を考慮して、スマートフォン(iPhone)向けに最適化したメールマガジンを送信しました。特徴としては、iPhoneで快適に閲覧できるようなHTMLメールになっており、各リンクがブロックリンクのため、指でのタップが容易にできるようになっています。
また、「トップの画像がスライドで変わる」ようになっており、少ないスペースで多くの画像を表示することできます。アニメーションGIFで表示しているのではなく、CSSを活用しているため、画像もよりキレイに見せることが可能となっています。
そして、「地図のボタン」をクリックするとGoogleマップが表示され店舗の場所をスムーズに確認することが可能で、かつ「予約ボタン」をクリックすると直接店舗に電話が発信できるようになっています。

配信結果
スマートフォンユーザーに送った「スマートフォン(iPhone)最適化メール」と、PCユーザー向けに送った従来どおりの「PC向けHTMLメール」の配信結果を比較すると、スマートフォンユーザーの方がクリック率5.7倍の結果となりました。普段からEメールマーケティングを担当されている方は分かるかと思いますが、クリック率が5.7倍になることはかなり驚異的です。仮説のとおり、PCでメールを受け取っている会員よりもスマートフォンでメールを受け取っている会員の方が、反応が高いことがこの検証で実証されました。
ちなみに、閲読率(開封率)については前節で説明したとおり、モバイル端末ならではの「いつでも閲覧できる」という特性が活かされ、PCでメールを受信した人と比較して11.5倍の結果となっています。