複雑な条件でのモニタ抽出にも対応。仮説検証の機会は圧倒的に増える
「スクリーニング調査後、本調査に進んでもらうモニタを抽出する作業は、セルフ式ですから調査主にやってもらっています。だから、スクリーニング結果は調査主のものになって当たり前。その後はスクリーニング結果を使って、何でも自由に調査できるようになっています」(石川氏)
石川氏が言うように、本調査用のリストを作成する自由度は非常に高い。例えば、フェイスブックの利用経験を尋ねたスクリーニング調査結果と、それとは別途実施したツイッターの利用経験を尋ねたスクリーニング調査結果を組み合わせ、「ツイッターもフェイスブックも使っている」「ツイッターかフェイスブックを使ったことがある」「ツイッターもフェイスブックも使っていない」といったリストを作成することもできるのだ。
「仮説をたくさん持っていても、これまで『ここぞ』という時にしか調査できませんでした。Fastaskですべてをつまびらかにできるか分かりませんが、仮説を検証する機会が圧倒的に増えることは確かです。そうなることで、調査を『必要』と考える人と『不要』と考える人のバランスが変わるはず。調査を“コスト”ではなく“投資”と考えてもらえるようになることで、リサーチの在り方が変わるかもしれませんよね」(石川氏)
Fastaskと補完関係にあるリサーチャー・アナリストからの反響続々
Fastaskの登場によって生じたもう1つの変化。売上を増やすための業務を専門家に依頼する余裕が生まれたとはどういうことなのだろうか。
実は、Fastaskに対して想定外の反響があったのは、顧客からマーケティングリサーチ業務全般を受託している調査会社などの専門家からだったと石川氏は話している。
「日本には500社ほどの調査・分析を専門にする企業があります。彼らは調査設計やデータ分析のプロ。長年にわたってノウハウを蓄え、調査主からとても信頼されています」
だが、アンケートを設計するノウハウを持っていても、ネットリサーチシステムを運用していなければ、この部分は既存のネットリサーチ専業のような会社に流れてしまうか、せいぜい自社を通して外注せざるを得ない。専門家のノウハウを活かす機会がなかなかないのである。
「われわれは調査会社ではありませんし、ましてや分析を行うサービスを提供しているわけではありません。したがって、Fastaskは専門家のライバルになるサービスではありません。アンケートを集めるプロセス単独ではコモディティ化できますが、リサーチの企画・設計やデータ分析は専門家の知見が活かされるところで、絶対にシステム化できない部分。むしろFastaskとこれら専門家の知識を組み合わせることで、リサーチの価値を最大化することができるのではないかと考えています」(石川氏)