ソーシャルメディア上の顧客の声を収集・分析する「GLUE Webマイニング」
TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアが普及してきたことで、「ソーシャルメディアを使って情報発信/顧客と対話しよう」という提言を見掛けることが増えてきた。しかし、ソーシャルメディアのビジネス活用方法は、情報発信や顧客との対話だけではない。ソーシャルメディアから上がってくる顧客の声など、ビッグデータを収集・分析することでビジネスに役立つ情報を取得することにも目を向けてみてはどうだろうか。
Webにあふれるマーケティングデータの活用には、大手ソーシャルメディアのクチコミ分析はもちろん、ECサイトの価格調査、製品レビュー分析など、限りない。また、リサーチ会社やコンサルティング会社に頼ると費用や時間がかかる上、自分たち視点の“気づき”を把握しにくい。
株式会社ハンモックのテキストマイニングツール「GLUE Webマイニング」は、クローリングによってデータ収集するところから分析・活用に至るまでの一揃いの機能を提供してくれる。HTMLで作成されたWebサイトだったら、どこでもクローリングして、欲しい情報を収集し、分析することが可能である。このツールを使って、ブログやTwitter、Facebookなどのソーシャルメディア、あるいはAmazonや楽天などのカスタマーレビューのデータを収集・分析・活用して、ビジネスに活かす企業が現れ始めている。
GLUEはテキストマイニング技術を基盤にしつつ、マーケティングや、営業推進、経営企画、商品開発、カスタマーサポートまで、さまざまな用途で使えるように設計されている。従って、2011年6月のリリースからまだ1年も経っていないが、既に下記のような活用事例が出てきている。
- 自社のSNS公式アカウントに寄せられたコメントの内容を把握する。
- インフルエンサー(消費者に影響力のあるSNSユーザー)を特定する。
- Twitter上の顧客の声を収集・分析して、ポジティブな声に対してはお礼を、ネガティブな声に対しては謝罪を送るアクティブサポートを実施する。
- SNS上の顧客対応履歴を、社内で使用している既存の顧客管理(CRM)システムに連携して、 自動登録し、管理する。
- 自社製品に対するSNS上での反応を分析し、要望の多かった点を改善する。
- ECサイト上の自社製品の販売価格の推移を毎日、時間単位で、調査・分析し、ECサイトの販売戦略を計画する。
- 国外での自社製品の販売価格を確認し、ニセモノ製品を発見する。
- 自社製品を国外で販売する際の訴求ポイントをどこに置くか、アメリカや中国の カスタマーレビューを収集・分析して、営業戦略を検討する。
クロール対象にできるサイト/データ種類が幅広く、カスタマーサポートツール、営業戦略ツールとしての用途も
「SNSやブログなどから情報を収集して、売上・利益を増やそうとする活動が活発になってきました。ソーシャルメディアのコメントを分析するといった、ソーシャルメディアの分析ツールも徐々に出てきている中で、ただ発言傾向を把握するだけ、閲覧するだけのものが多く、その後の営業利益や経営戦略、顧客満足度向上に結びつくよう、分析結果を活用できるツールがありませんでした。そこで、そうしたニーズに応えるために開発したのがGLUEです」と語るのは、株式会社ハンモック 営業本部 企画部 GLUEプロジェクトを担当する谷口典秀氏だ。
谷口氏によると、クロール対象のサイトを柔軟に追加できる点、アクティブサポートなどのカスタマーサポート用ツール、営業企画、経営企画などの営業戦略用ツールとしても活用できる点がGLUEの特長だという。
「TwitterやFacebook、Amazon、楽天などの有名サイトからデータ収集できるツールはほかにもありますが、パソコン周辺機器の専門ブログやCADのデータなど、さまざまなサイトやデータ種類をクロール対象にできるところがGLUEの強みです。
また、テキストマイニング技術を活かして、アクティブサポートにも使えるようにしています。アクティブサポート専用のツールを使っていると、ユーザー対応した履歴を企業で使用している既存のCRM関連のデータと連携させるには、別途、データを入力する手間が出てきます。それがGLUEでは自動的に連携させることもできますから、二度手間が掛からないという利点があります」(谷口氏)