SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

LABO

データ活用できる企業とできない企業の格差
「データ ディバイド」を解消する4つのユースケース


【用途4】 唯一、成熟度が「中」の「メディアバイイング」

 最後に「ターゲットメディアのバイイング(Tageted Media Buying)」について。これは広告代理店やDSPを使うマーケッターにかかわってくるところで、自動化されたリアルタイムのメディアバイイングツールを使うことで、複数のチャネルを横断して有望な顧客を突き止め、広告の無駄打ちをなくし、適切な価格でオーディエンスにリーチできるようになる。

 ある広告代理店の幹部によれば、ある広告主がオンラインとオフラインのデータを統合してメディアバイイングに活用してみたところ、30%近くのパフォーマンス改善を実現できたという。

 成熟度に関しては、4分野のうち唯一の「中」。リアルタイムビッディングツールがここ数年でかなりこなれてきているため、幅広い業界のマーケッターが利用するようになっているとIABは指摘している。

データ活用の最適化を推進する上での課題

 ここまで分野ごとの課題について触れてきたが、マーケティングデータ活用の最適化を図っていくためには、全般的に次のような課題を乗り越えていくことが必要となる。

データ集約と匿名化

 従来のデータ管理方法では顧客の氏名や郵便番号・住所といった個人を特定できる情報を扱っていたが、プライバシーの問題やデータの正確性について懸念を抱くマーケッターなども多い。オンラインデータを使った分析/セグメンテーションを導入していくためには、ほぼすべてのデータセットを集約し、匿名化することが必要になる。

米国での動き:ネットユーザーのプライバシーを守る「Consumer Privacy Bill of Rights」

 インターネットユーザーのプライバシーを守るため、米国では2月に、オバマ政権が「Consumer Privacy Bill of Rights(消費者のプライバシー権利章典)」を発表した。

 グーグル、ヤフー、マイクロソフト、AOLを含む主要なインターネット企業、オンライン広告ネットワークは、消費者がオンライントラッキングを簡単に制御できるよう、「Do Not Track」技術を使って、ブラウザでオンライントラッキングを簡単にコントロールできるようにすることを求められている。

オペレーティング体制の改善

 主な障壁になるのは、伝統的なオペレーティング体制。自分たちの部署のことを優先する硬直的な組織や、データに精通したマーケティングやIT、営業といった専門家の不足が問題となる。

サービス面や技術面で支援してくれる強力なパートナー

 手っ取り早く、効率的にビッグデータを集約/分析/処理していくためには、サービス面や技術面で支援してくれる強力なパートナーを得ることが必要になる。

マーケティングデータのガバナンス

 データガバナンスは関係者全員にとって、最優先課題になりつつある。データ利用に関する問題ひとつ取っても、アクセスする人物、データ利用のルール/権限、データプライバシーにセキュリティの問題と争点が多く、リスクを抱えている。

 IABは、こうした課題はあるものの、これらのユースケースは、将来的なマーケティングのスタンダードになると指摘している。新たなサプライヤーが登場することでオフラインとオンラインのデータ統合が進んで技術を使いこなせる体制が整い、より多くのデータ資産を活用できるようになると総括している。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
関連リンク
LABO連載記事一覧

もっと読む

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2012/07/19 11:16 https://markezine.jp/article/detail/15290

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング