「欲しい!」と思わせるコピー:信頼感や心理的な抵抗感へアプローチする
うまく動機づけを行うには、手に入れるべき理由を示すことだ。そして、その理由では今よりもっと良くなる、あるいは問題の解決につながることをイメージさせなくてはいけない。場合によってはそれを証明して納得させなくてはいけない。いかに表現したらいいのか、「世界史」のキャッチフレーズで見ていこう。
海外の学生はこの本を読んで世界史に強くなっています。
たった2冊で大丈夫。世界史を理解する最後のチャンスです。
ヒットを生み出すコピーのポイントその1~特徴を第三者の評判で伝える
まずは最初のセンテンス、「海外の学生はこの本を読んで~」から。海外では世界史のバイブル的存在といった特徴を、ユーザーなど第三者による評判・評価の視点から言っている。「この本を読むと世界史に強くなります」ではただの自慢になるが、第三者による評価(もっとも評価の真偽を確かめる術はないが)を示すことで信頼されやすくなる。
新商品ではできないが、定番商品の販促を強化したいときによく使われるパターンだ。「20代女性に人気」「クリエイターの多くが使っている」「デザインで選ばれている」から、数字を入れた「シェアNo.1」「人気ランキング1位」までさまざまな表現で使われる。
なお、シェアNO.1といった数字などのデータを出すときは、「~調べ」など根拠を示すこと。さらに「人気」「好評」「売れている」「選ばれている」など評判や評価を使うときは、「スマホ人気No.1、使いやすさで選ばれています。」のように、なぜ選ばれているのかその理由まで示すと説得力が増す。
ヒットを生み出すコピーのポイントその2~具体的な数字でハードルを下げる
次の「たった2冊で大丈夫」は具体的な数字を使って約束をする表現で、心理的なハードルを下げる時に用いられるパターンだ。「たった1週間でマスター」のように時間や物理的な労力、コストの少なさが特徴である場合、それを強調することで「少ないならためしてみようか」と心理的なハードルを下げ、抵抗感を小さくすることが期待できる。
ただし、ハードルが高そうな場合は訴求力が弱いので使えない。もし「世界史」が上下2冊ではなく全10冊であったら、「たった」と強調されても試してみようとは思わないのではないか。そう考えると「たった」や「わずか」、「ほんの」といった数量の少ない言葉が合う場合限定の表現だ。
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「コピーの中で最も重要なキャッチフレーズの作り方」「説得力アップのためのフレームワークとレトリックの紹介」の2点に重点を置き、動かす、読まれるWebコピーの発想と作り方を伝授します。キャッチコピー、ボディコピーを実際に書いていただき、その場で講師が添削するワークショップの時間を設けています。