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デジタルマーケティングの未来を探る「Adobe Digital Marketing Summit 2012」

「Adobe Digital Marketing Summit 2012」から見えてきた、今後のウェブマーケティングに大切な5つのキーワード


キーワード4:予測マーケティング(Predictive Marketing)

 予測マーケティングは、昨年あるいは数年前のサミットでは話題とあまりなっていなかったキーワードです。しかし、今回のサミットではアドビのデジタルマーケティング製品群(Adobe Digital Marketing Suite)の各製品にこの予測機能が盛り込まれることなりました。

 キーノートで紹介された予測の例は、「過去の集客データをもとに、今後の流入とコンバージョン量を予測(しかもリアルタイムに配分や量を調整変化を見ることがツール上でできる」であったり「Twitterでつぶやく前に(その中に含まれているキーワードや過去の実績から)どれくらい拡散するかを予測する」といった事例が紹介されていました。

 また各セッションでもPredictive Marketingは大きなトピックスとなっており、その実践方法や課題などが紹介されていました(こちらは、別記事で紹介予定です)。

 予測マーケティングに関しては、今後の集客予算を決める上で大切な要素となりますし、予測をもとに前もって対策を打つという考え方が可能になります。しかし逆に、予測部分を機械に任せすぎてしまうリスクもあります。

 たとえば、「今後行なうことが確実な施策(例:来月テレビCMを XXX GRP配信する)の反映を行えない」「予測をする期間が少ないと季節変動が加味できない」「そもそもロジックがブラックボックスだと、それをどこまで信じればよいかわからない」「予測のロジックが違ったときにどこまでロジックを変えられるかが不透明」といった可能性もはらんでいます。

 機械にどこを任せ、人間がどこを判断するか。この線引きはまだ曖昧で会社によって違うのではないでしょうか。今後の研究と事例が期待される分野です。

キーワード5:ソーシャルメディア分析(Social Media Analytics)

 ソーシャルメディアについては、数年前からサミットのトピックスとして挙がっているのですが、今年は「いいね!」や「RT」だけを評価しても売上につながらないことが当たり前のように認知されていたりと、分析のレベルが増した印象を受けました。

 米国では「いいね!」や「RT」の数を増やすことより、直接の流入以外も含めソーシャルメディアが最終的にどれくらい売上に貢献しているかの分析が行われています。

 アドビがリリースしている「SocialAnalytics」もこの変化を取り入れた内容となっています。ソーシャルメディア上のキャンペーンや発言をダッシュボードで管理することもできますし、発言予約・発言の感情分析・売上との紐付けなどの機能も充実しています。

Adobe Digital Marketing Suite(Social Analytics)とAdobe Creative Cloudの連携デモ
Social Analyticsの分析レポート

 分析観点はもちろん、Digital Selfの項目のところでも書いたとおり、ユーザーを知りレコメンドするための貴重な情報源として、ソーシャルメディアのデータが活用されています。

 まだ日本では、いいね!やRTの数を重視していたり、ブランドや認知媒体としての活用を進めていたりという状態ですが、ソーシャルメディア上の情報を有効活用するフェーズが間もなく訪れるのではないでしょうか。

最後に

 「データを接続する(Connection of data)」ことの必要性と重要性を強く感じたAdobe Digital Marketing Summitでした。訪問単位の情報をユーザー単位の情報につなげたり、複数端末の情報をつなげたり、ソーシャルメディア上の情報とログデータをつなげたり、コンテンツの作成と分析データを連動させたり、といったいろいろな接続がありました。

 Steve Jobs氏の有名な講演の冒頭で「The first story is about connecting the dot」という発言がありますが、ウェブマーケティングを最大限に実現するためにも、同じような考え方が重要なのではないでしょうか。そんなことを考えさせられた2日間でした。

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この記事の著者

関根 将成(セキネマサナリ)

さすらいのフリーライター。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2012/10/18 16:57 https://markezine.jp/article/detail/15455

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