ユーザーはどう感じているのか
伝えたいことばかりで、ユーザーがどう感じているのかを理解しない限り、効果的な結果は表れません。ユーザーを理解する必要があり、あくまでもユーザーが見てユーザーが価値を感じ、ユーザーが行動するためのものを提供している、という前提に立つことが重要になります。
弊社が提供するデザイン評価ソリューションである「クリエイティブサーベイ」では、調査によって、ユーザーが思っていることや、直感的な意見を分析することが可能です。調査をすることで重要なメリットは次の5つです。
- “ユーザーが見ている”ことを意識できる…デザインはつい感情に左右されてしまいます。調査する事で、ユーザーに見せるものだということを強く意識させてくれます。
- “自分たちの思い入れ” を認識できる…ユーザーは思い入れなどありません。初めて見るので飽きたりしていないし、発信側がよいと思っていることもそう簡単によいと思ってくれません。発信側が当たり前だと思っている専門用語には驚くほど理解を示してくれません。思い入れによるリスクが事を難しくしているかもしれません。
- “ユーザーの情動” の理解が深まる…前回も触れましたが、アクセス解析だけでは理解できない領域があります。定性的な調査によって、その領域が補完できます。
- “数値化される”…これが一番重要なことも多くあります。調査の結果を報告すると「やっぱり」という反応があります。今まで漠然としていたものが、明確な数値として表れます。この数値は物事を進める上での原動力になります。
- “次のヒントを得る”…より多くのコンバージョンを達成するためには、どうすればよいでしょうか? 一見したら見た目も悪くないサイトも課題を抱えているとすれば、どこに課題があるでしょうか。ユーザーはマーケティングに関する答えになり得るものを数多く持っています。
ユーザーを理解することは重要だが想像以上に難しい
ユーザーの客観的な意見を得ることで、プロジェクトはより顧客志向になりユーザーのことをもっとよく考えることができます。「ユーザビリティテストは行うのが1人でも、やらないよりはまし」と言われますが、それは発信者側だけでは分からないことがあるからです。
制作者はWebのプロフェッショナルであり、ユーザーインターフェイスやインタラクションについての答えを導くことができます。しかし、前線で営業したり、顧客とコミュニケーションをとっているわけではないので、やはりクライアントほど顧客(=ターゲットユーザー)を理解できているわけではありません。
一方、クライアントは業界や自社や商品のことを熟知しているので、どうしても商品のことを知らないユーザーの視点に立つことが難しくなります。制作者とクライアントでカバーできない「ユーザー」という視点は、重要なわりには把握することが難しいです。
それため、定量的・定性的の両面で調査する、ということが必要とされています。これまでの記事でも調査については触れているので、是非合わせて参考にしていただければと思います。(バックナンバー)