中央値は何のためにあるのか?
仮に、渋谷店のデータだけ、120から10倍して1,200に変更します。平均および中央値はどう変化するでしょうか?

中央値は変化ありませんが、平均値はだいぶ値が大きくなっています。平均値は、分布の中に極端なデータがあるとその値にひっぱられてしまうという特徴があります。データの重みに着目せず、データの個数ベースで真ん中を探す中央値であれば、極端な値の影響を受けにくくすることができます。
下記は、総務省統計局が発表した平成19年の家計調査の貯蓄の世帯分布データです。
単純に、貯蓄の平均として1,719万円と聞いたら、「えっ、そんなに!?」と思うかもしれません。これはいわゆるお金持ちの人たちに引っ張られているからです。世帯を貯蓄高の順に並べて全体を2分する額になるのが、中央値1,018万円です(これでも、私には縁遠い感じですが……)。皆さんの実感に近づいたでしょうか? ちなみに最頻値は、貯蓄が200万円未満の世帯です。
データの真ん中を表す指標といってもいろいろな指標がありますので、特性を理解した上で、使いこなしてください。