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[Webアナリスト対談]清水 誠×小川 卓

清水 誠×小川 卓、Webアナリスト対談【中編】
どうする?「キーワードが取れない問題」、変化を迫られるアクセス解析


検索キーワードが取れなくなる? 変化を迫られるアクセス解析

小川:情報が取れないという話でいくと、Googleの検索結果のSSL化(※)も気になる部分ですよね。分析担当としては辛いなぁと。

清水:でも、僕はあれはいい動きだなって思うんですよ。そもそもアクセス解析って100%データが取れるわけではないじゃないですか。100%のデータはあり得ないので、データの精度を高めることよりも、取れるデータをどうやって料理するのか、ということの方が大事。Googleは結果的に、その限界を明らかにしてくれたんだと思う。

小川:今まで検索キーワードは取れていたけど……。

清水:あれも、たまたま取れてただけじゃないですか。検索結果のページのURLにたまたまエンコードされたキーワードが含まれていて、さらにそれがリファラとして取得できることがあったというだけ。自社サイト内の検索ボックスに入力されたデータを他のサイトに伝える義務はないので、いくら文句が出ても前の状態に戻ることはないと思う。

小川:ないでしょうね。オプトアウト、オプトインするというのも落としどころとしてはあったのかもしれないですけどね。

清水:でも、プライバシー保護という名目を掲げて発表してしまった以上は難しいと思いますよ。取り下げたら、今度はプライバシー保護派からクレームが来る。

小川:僕は、日本でいつYahoo!が追従するのかなと思って見ています。Yahoo!はGoogleの検索エンジンの仕組みを使ってます。今後、SSL化がユーザーのログイン/非ログイン問わずに行われるようになると、ほぼすべての検索キーワードが取得できなくなってしまいます。

押久保:それはキツイですね。

小川:大元締められたら、たぶん何をやっても取れない。本当に。さすがにそこまで実施しないとは思いますが。

清水:Googleしか取得できないデータをGoogleアナリティクスだけで利用可能にしたりしたら、フェアではないですよね。でも、有料検索、リスティングはリンク先URLにパラメータを付与すれば、ある程度解析はできます。問題は自然検索のキーワードごとの最適化ですよね。

 自然検索ってあまりコントロールできないので、キーワードレベルで閲覧行動やコンバージョンを追いかけるのはやめて、Google ウェブマスターツールでざっくりと流入だけ追いかける。それ以外はリスティングとか広告みたいに、自らお金を払ってコントロールしているトラフィックソースに関してきちんと見て、その中で予算の最適化や配分をしていくというふうに分けちゃえばいいと思う。

小川:今って、人によって検索順位も違いますしね。今後もっと検索結果はパーソナライズされていく。

Google、SSLでセキュリティ強化

 ユーザーが検索結果に表示されたリンクをクリックしてサイトを訪問した場合、アクセスログにはHTTPのreferer(参照サイト)ヘッダに検索キーワードの情報が残る。ここから、サイト訪問者がどんなキーワードで検索してそのサイトを訪れたのかを知ることができる。

 Googleは2011年10月に、Googleにログインした状態でウェブ検索を利用する際の通信プロトコルをHTTPからHTTPSに変更し、2012年3月からはgoogle.co.jpにも適用。ログインした状態での検索では、検索キーワードと検索結果ページがデフォルトで暗号化されるようになった。

Making search more secure(2011年10月)

Google の検索セキュリティを強化しました(2012年3月)

従来のようなSEOは成り立たなくなる?

小川:この間、Yahoo!が新しいブラウザ「Axis」を出すという話がありましたけど、あれは検索結果がスクリーンショットで表示されて、横にスライドショーみたいに流れて表示されるんですよ。そういうのが出てくると、検索結果が1位だから一番いいというわけじゃなくて、画面におさまる5位以内だったらいいよねとか、まったく違う感じになってくると思うんですよね。

押久保:検索結果にサムネイルが並ぶみたいな感じですね。

清水:サムネにした状態でキャッチーに見えるか、文字が読めるかとか、また別の最適化が必要になる。

小川:わかりやすい画像が入ってるとか。究極はトップページに美男美女の画像が入ってるとか(笑)。

清水:文字は見えないからね(笑)。

小川:「それが新しいSEO対策です」という話になったりして(笑)。今後はもっとそういう方向に向かうはずだし、個人で検索順位というものがコントロールできるようになるんでしょうね。

清水:そうなると、順位は要因のひとつでしかなく、結果としての流入やコンバージョンをざっくりと知ることしかできなくなる。

小川:自然検索で順位を上げるとしたら、他のことを全部がんばればいいんですよ。サイト内のつくり方をがんばればいいし、リスティングやソーシャルメディアもいろいろやっていく中で、結果的に上がった下がったということ。今はSEOのためにいろいろやろうっていう、順番が逆転しているケースがありますけど。

清水:小手先のね。そういう意味ではいい傾向ですよね。一部の業者は困るかもしれませんが。でもそうなるべきだと思う。あ、こんなこと言ったら怒られるかな(笑)。

押久保:大丈夫です大丈夫です(笑)。

次はいよいよ後編です。お楽しみに!

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MarkeZine(マーケジン)
2012/10/26 16:38 https://markezine.jp/article/detail/15863

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