企業がPinterestを活用すべき3つの理由
ここまでPinterestの使い方や特徴について説明してきましたが、それを踏まえて企業がPinterestを活用する際のポイントを3つ紹介しましょう。
トレンドに敏感な20代〜40代の女性にリーチする
先にご紹介したデータを日本に当てはめてみると、Amebaピグや芸能人・有名人ブログが大好きな「Ameba」の利用者層とマッチするような気がします。 “トレンドに敏感でショッピングが大好きな20代〜40代の女性”をメインターゲットとしているビジネスでは、Pinterestを上手に活用することで、サイトへの流入を増やす効果が期待できます。
今後、“Pinterest Board:人気読モSelection”や“カリスマショップ店員が作るPinterest Board”なんていうのが流行ったりして(?)これが企業がPinterestを活用すべきひとつ目の理由です。
新たな流入経路を開拓する
下の画像は楽天市場のPinterestページです。「Love to Wear」「In the Kitchen」「Happy Rainy Days」など、絶妙な切り口でカテゴライズされたボードを複数作成し、多くの商品を上手に見せています。

これらの画像をクリックしていくと、その商品を販売しているショップページなどへたどり着くことができるため、従来のように「特定の欲しいものがあって、検索・比較しながら商品を探す」というフローではなく、「ボーッといろんな画像を眺めている中で、ピンッと来たものをチェックする」という商品への新しい接点が生まれています。この“新たな流入経路を創る”という点が、企業がPinterestを活用すべき理由のふたつ目です。

Pinterestには「Gifts」というコーナーがあり、「$1-20」「$20-50」といったように、値段でソートをかけられる機能があります。画像に値段をつけるには、Pinする画像の「Description(説明)」内に、「$(ドル)」か「£(ポンド)」のマークを入れることで自動的に左上に値段が入るようになります。今のところこの2つの記号にしか対応していないので、国内のビジネスには使えないのですが、今後「¥」にも対応してくれると、さらにビジネスチャンスが広がるでしょう。
ソーシャルで拡散する
3つめの理由は、“ソーシャルメディア上でどんどん拡散してねというメッセージになる”という点です。Pinterestにつきまとうのが、画像の著作権問題。画像の所有者が二次利用を禁止している場合にもPinすることができてしまうため、ユーザーは常に「Pinしてはいけない画像を誤ってPinしてしまうかもしれない」というリスクと隣り合わせにいるのです(参照:「Pinterestはどこまで合法なのか?ある女性のストーリー」)。
しかし、企業としてPinterestにページを設けたり、サイト内に“Pin It”ボタン(Twitterの「Tweet」ボタンやFacebookの「いいね!」ボタンのようなもの)を設置しておけば、ユーザーは安心してあなたのサイトで気に入った画像を見つけてPinすることができるでしょう。ちなみに、自社のサイトの画像がどれくらいPinされているのかを確認したい場合は、“http://pinterest.com/source/ドメイン名”にアクセスすると見ることができます。
ページ中程にある「Pin It Button for Web Sites」にURLなどの必要項目を設定しましょう。

最後に ―どんな画像が拡散されるのか―
Facebookでは文字で文脈を補完して共感を集めることができますが、Pinterestでは画像がすべて。企業が活要するには、他のソーシャルメディアに比べ、さらにハイクオリティな画像が求められます。
センスの良いクリエイティブにこだわった商品を扱っているのであれば、そのまま商品画像を活用できますし、カタログ用にプロが撮影した写真をお持ちであれば、ぜひそれを活用すべきでしょう。特に、ファッション・美容・飲食・旅行関係の、セレブ感があってイマジネーションが刺激されるような(俗に言うところの“アガる”)画像は、Repinで拡散されるのが速いように思います。
これからコンテンツを用意する際には、『VOGUE』や『ELLE』といった海外の女性向けファッション誌が参考になるのではないでしょうか。Pinterestの活用事例や企業の活用方法は『Pinterestビジネス講座』(翔泳社)に詳しいので、ぜひ参考にしてみてください。