散布図は正方形に整形してから見る
Excelの散布図はデフォルトで横長の散布図が出力されますが、より正確にデータの特徴を捉えることができるように、必ず散布図は正方形になるように整形しましょう。
1.出力した結果は、下図のように横長の状態で出力されます。

2.厳密に正方形にすることはできませんが、目分量で構いませんので、散布図エリアがより正方形に近くなるように手動で調整しましょう。

なぜ正方形がいいのかと言えば、極端に横長の散布図と極端に縦長の散布図をイメージしてください。明らかに偏って見えますよね。散布図の目的は2つのデータの関連性を視覚的に把握することにあります。データのばらつきがより正確に認識できるよう、正方形に近づけるのです。
次に、作成した散布図を見てデータの関連性を推測します。
散布図と相関の関係

今回の場合、平均気温が上がるとビールの出荷量が増えている(右上がり)傾向があるので、正の相関がありそうだと予測がつきます。それでは、その相関の強さをもう少し具体的に数値化してみます。
以下の式で求められる値を相関係数と呼び関連性の強さを表します。相関係数は、小文字の「r」(英語のcorrelationのr)で表します。

ここでは、入門編なので数式の意味までの説明は割愛しますが、ごく簡単に言うと分子は偏差積の和がどうバラついているかの指標(プラスなのかマイナスなのか)で、分母は標準偏差で割ることで平均ゼロ、標準偏差1でデータをまとめています。
ここからがより重要です。rは常に-1から1の間の値をとります(-1≤r≤1)。相関係数がプラスのときは、正の相関がある(平均気温が上がると出荷量が増えるような関係)といいます。反対に相関係数がマイナスのときは、負の相関がある(失業率が上がると実質経済成長率が下がるような関係)といいます。
相関係数の値から「相関の強弱」を判断する
rの値は-1から1の間なので、「0.9」だったら相関が強くありそうです。では、「0.8」の場合はどうでしょうか? これも相関は強そうです。では「0.6」の場合は? 「0.2」の場合は? となってくると、どこまでを持って「相関がある」と言っていいのか迷うかもしれません。
残念ながら統計的に「0.5以上は相関ありとする」といった明確な基準はありません。そこであくまでも筆者が作った目安ですが、以下の表を参考に相関の強弱を判断してください。

Excelでの相関係数の求め方には、CORREL関数を使う方法と分析ツール(以下、本稿ではすべてExcelの分析ツールを指す)を使う方法があります。次ページから詳しく見ていきましょう。