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マーケティング・プロフェッショナルズ

「20代、30代は買ってでも仕事をした方がよい、40代からでは取り戻せない」─ 資生堂 薗田守世氏(後編)


事前に徹底的に考え抜くことがプロフェッショナル

 青葉――では、薗田さんが考えるマーケティングのプロとは、どのような姿でしょうか?

 今回、「ワタシプラス」を中心とするWeb事業に本腰を入れていくにあたって、目指すべき到達点を徹底的に考え抜きました。そのことによって、現在、現実問題として毎日いろいろな課題が起きても、大きく迷うことなく判断ができています。やはり、どんなことに取り組むにあたっても、事前に考え抜くことが重要だと思います。

 青葉――お話を伺っていて、薗田さんのパーソナリティと、Web事業部の推進部長になられている意味合いがよく分かりました。最後に、若手のマーケターにアドバイスをいただけますか。

 私もこれまでたくさん失敗をしてきていますが、仕事には98も99もなく、100しかありません。「蟻の穴から堤も崩れる」という言葉もありますが、確認を怠っている点が1カ所でもあると、足元をすくわれます。そうすると、自分だけではなくその仕事にかかわっているあらゆる人の努力をつぶすことにもなりかねない。石橋を叩けるところは絶対に叩いておくこと、それは肝に銘じています。

 その上で、20代、30代のうちは買ってでも仕事をしたほうがいい。30代後半になってもあまり仕事に積極的ではない人には、上司も仕事を振らなくなりますし、仕事の手腕や役職も40代から急激に差がついてきます。若い時はひるまずに仕事に向き合い続けて、自分の道と、自分が携わる事業の将来を切り開いてもらいたいと思います(文・高島知子)。

青葉取材後記「Marketer Eye」

 創業140周年の節目を迎える資生堂。事業活動では、国内事業の立て直しとグローバル事業の更なる強化を軸に、新3か年計画を掲げ経営基盤の強化に取り組んでいます。4つの成長戦略の一つ「ニューフロンティア戦略」として、新たな販路でのお客さま接点を拡大し、美と化粧に関する企業と専門家によるコラボレーションサイト「Beauty & Co.(ビューティー・アンド・コー)」や「ワタシプラス」の導入など、Webへの参入は後発にもかかわらず革新的な取り組みを行い、Webマーケティングを本格展開しています。

 薗田さんは、財務や海外子会社での経営に携わってこられた方で、Webを単なるチャネルの一つと捉えるのではなく、中長期的な視点に立って「資生堂の変革を賭けた、第二の創業」を担う中心人物の一人です。インタビュー中でも「変化できないものは、生き残れない」ということをたびたび強調されており、「会員数も、サービスレベルも一番を狙う」という明確な目標を持ち邁進されています。

 仕事への情熱・使命感・責任感、苦難を乗り越えてきた大先輩の言葉の重み説得力は大変迫力があり、文章では表現できません。「仕事に98も99もない、100しかない」と檄を飛ばされ励む部下の方をうらやましく思いました。新たな需要の創造と既存店舗の活性化のため、 課題としていた若年層との接点にも手ごたえも感じているようでした。彼らの今後の取り組みに期待したいと思います。

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この記事の著者

青葉 哲郎(アオバ テツオ)

サイコス株式会社 代表取締役
東京都出身。明治大学政治経済学部卒業。1994年4月 ジャスコ (現イオン)入社。1995年マイクロソフト入社。トップセールスを経て、最年少ブランドマネージャに就任。MSN事業開発など担当。2001年インテリジェンス入社。マーケティング部を設立し『はたらくを楽しもう。』で同社を転職ブランド1位に。2008年リクルートエージェント入社。『転職に人間力を。』で新ブランドを立ち上げ、コスト減と広告効果の最適化...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/04/18 12:30 https://markezine.jp/article/detail/16098

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