喜ぶのは顧客だけではない
ところが、I社よりも先行している他社が行なっていたように、問合せ窓口を分け、設問を最適化すると状況は変わってくる。
価格問合せで具体的な記述があるものには、予算感から提案内容が絞れるためアクションが起こしやすくなる。テスト機貸し出しならば、検討段階が深まっているため、問合せ企業の業種経験のある営業担当を派遣しやすい。逆にカタログ請求程度であれば、資料だけお送りした後、電話フォローでよい。フォロールールを決断しやすくなるのだ。
問合せ設計は顧客のためももちろんであるが、顧客にメリットが生まれ、記述内容が具体化することで、営業部門のフォローにランクがつけやすくなる。適切なアプローチを適切な人材が行なえば、うっかりフォロー忘れという無駄も減り、提案率や受注率もよくなる。営業プロセス全体としてメリットが享受できるようになるのだ。
実際に、I社では調査後、問合せ窓口として自社でも実行できるものを精査してもらい3つの窓口を設けることとなった。営業部門ともよく打ち合わせを重ね、問合せに営業部門からリクエストのあった検討時期や予算を探る設問を入れた。
すると、問合せ数は落とすことなく、問合せを具体化することに成功した。特に、後の営業フォローはスムーズになり、Webサイトからの引き合いへのアプローチ率は100%になった。
問合せ窓口を設計する
問合せフォームとしてどんなものを設置したらよいかわからない、という人は下記図を見て欲しい。どんな企業であっても、必ず実行できる問合せフォームが2つ以上あるはずだ。



それらを、顧客の検討段階にあわせバランス配置することで、Webサイトに訪問した顧客をなるべく離脱させずに営業部門に引き渡すことができるようになる。
問合せ窓口は、企業側の視点でいけば1つに集約されていたほうが都合がよい。コストもかからないし、メールの受け手、フォロールールなども一元化しやすい。
しかしながら、顧客側の視点でいけば、「問合せ」で一体どんな「問合せ」ができるか理解しにくいため、あいまいな問合せを生みやすくしてしまう。顧客からすれば的確に「企業がしてくれること」がラインナップされているほうが圧倒的に理解しやすいのだ。
もし、あなたのサイトに問合せ窓口が1つしかないのであれば、この記事を参考に、ページを見直すきっかけにしていただきたい。1度整理した問合せ窓口は長くメリットをもたらしてくれるはずだ。
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