慶應義塾大学は、同大学の1、2年生を対象として、科学用語の知識と興味度などを調査し、2002年および1992年の調査結果と比較した。学生が科学の最新知識を得る情報源は「テレビ」が最も多く、「インターネット」「新聞」が続いている。10年前とくらべると新聞とインターネットの順番が逆転している。「ダークマター」「ニュートリノ」「カーボンナノチューブ」の認知度が大きく増え、10年前には認知率が半分以下だった「メルトダウン」は、いまやほとんどの学生が知っている言葉となった。
今回の調査で特徴的なのは、文系理系学部ともに、10年前と比べて自然科学、特に天文学と物理学を中心とする用語の知識度が大幅に上がり、広く強く興味を持っていることが明らかになったこと。同レポートでは、この10年の間に日本人のノーベル賞受賞が相次ぎ、宇宙飛行士の活躍や「はやぶさ」など、科学の話題がマスコミにとりあげられ、科学が大衆化してきたことの現れだと分析している。
【調査概要】
対象:慶應義塾大学文学部、経済学部、法学部、商学部の1、2年生および理工学部の1年生
実施時期:2012年4月
回収数:文系学部409(うち女性138)、理工学部415(うち女性81)総計824
調査内容:科学用語36個について「聞いたことがあるか」「興味があるか」「物理・科学コンプレックスの有無と発生時期」「科学の最新知識をどの媒体から得るか」、「新聞の科学欄を読むか」
解析内容:それぞれの項目について学部別、男女別などの統計、および10年前、20年前との比較
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