多重共線性への対処法
多重共線性がある場合の対処法は、相関の高い変数のうち、どちらか1つを削除します。「駅からの徒歩時間」と「駅からの距離」では、どちらの変数を削除するかは、目的変数への影響の強さで判断します。
今度は、[分析ツール]の[相関]で目的変数込みでの相関係数を出力します。

価格との単相関係数は、
- 「駅からの徒歩時間」と「価格」……-0.238
- 「駅からの距離」と「価格」……-0.229
このケースではわずかな差ですが、相関の程度がより強い「駅からの徒歩時間」を残して、「駅からの距離」を削除して再度分析した方が良いということになります。
多重共線性の特徴
多重共線性は、その他にも以下のような特徴があります。
説明変数間の相関係数が1または-1になる
- 回帰係数が求まらない
説明変数間の相関係数が非常に高い
- 回帰係数と単相関係数(説明変数と目的変数)の符号が一致しない(今回のケース)
- 変数選択の際に回帰係数の値が大きく変動する
多重共線性を見分ける方法には、相関係数行列の逆行列の対角成分を用いるVIF(Variance Inflation Factor:分散拡大要因)を使った方法もありますが、ここでは入門編ですので、割愛します。