オウンドメディアの情報拡散のために
―― 話は変わりますが、各社から魅力的な端末が発売された影響かタブレットが活況と感じます。タブレットのような新デバイスに関してはどのように対応されているのでしょうか。

店頭接客でのコンサルティングツールとしての需要もありますので、タブレットに関しては常に検討しております。お客さまにとって何が最善かということを常に考えて、資生堂の「おもてなし」を実現することを最優先としています。
―― なるほど。流通業においては、POS端末の変わりにタブレットを活用するなどの動きもありますし、ビジネス面においてのタブレット活用も進みそうですね。一方で、ソーシャルメディアに対してどのようにお考えでしょうか。TwitterやFacebook以外でもLINEやPinterestなど次々にソーシャルメディアのプラットフォームが生まれてきております。
ソーシャルメディアに関しては慎重に取り組んでおります。お客さまの需要がどこにあるのか、私たちが提供できるサービスはなんなのかを照らし合わせつつ進めております。
現状では、ソーシャルメディアごとに資生堂としてオフィシャルなアカウントは持っておりません。ソーシャルメディアもオウンドメディアのひとつと捉えておりますが、今のところはブランド単位が中心の展開です。ただ、このスタンスは企業戦略との整合や時代の空気を読みながら随時変化させていきます。また、社員の利用に関するソーシャルメディアポリシーを昨年社内で規定し、運用しております。
選ぶのは私たちではなくお客さま
―― さまざまなコンテンツ、特に多くの美容コンテンツをお持ちですが、ターゲットごとにコンテンツを構築し対応しているのでしょうか。
違います。美容コンテンツはマルチユース、マルチターゲットでの展開を進めております。美容コンテンツは弊社の核になるコンテンツですので、ターゲットで切り分けるよりも誰もが接触可能なマルチユースでの利用が重要と考えております。定期更新型の読み物、ハウツーものの他にも店頭誘引を促すためのコンテンツやスマートフォン対応コンテンツなど多岐にわたって美容コンテンツを発信しています。
―― 店頭誘導目的のサイト上でのマーケティングに関してどのような方針でしょうか。
2012年10月23日に「ご当地プラス」というエリア情報に特化したコンテンツを立ち上げましたが、ローカル情報の強化は今後も進めて行く予定です。販売とマーケティングのサイトからすぐに購入できるようEC機能も設けておりますが、弊社のお客さまの多くは店頭で購入いただいています。
お客さまが、最寄りの店舗で購入できる支援としての機能も用意しており、どのような接点においてもスムーズに商品情報に触れられることが重要と考えております。
どこで購入するのか、何を購入するのかを選ばれるのはお客さまであり、私たちは選ばれるための最大限の努力を、オウンドメディアなどを通じて行っていきます。お客さまの接点総量を増やすことで、他のコンテンツや商品に触れていただけるような機会を創っていきたいと考えております。
