オウンドメディアへの対応が進む背景
さて、ペイドメディアの機能もアーンドディアの機能も、すべては企業のデジタルマーケティングの中核であるオウンドメディアへの送客、エンゲージメントが目的である。
トリプルメディアマーケティングの考え方が浸透、一巡し、デジタルコミュニケーションの心臓部分とも言えるオウンドメディアへの各企業の対応は非常に進歩し、サービス提供サイドからはさまざまなサービスの提供がはじまっている。
例えば、インバウンドマーケティング(コンテンツ・マーケティング)の領域は、オウンドメディア活用における核となる部分であるが、スケダチの高広伯彦氏が共同創業者であるマーケティングエンジン社のように新しいマーケティング支援サービスを提供する会社も登場しはじめている。
※統合されたインバウンドマーケティング実行管理プラットフォーム

HubSpotは、必要な基本機能をすべて網羅した統合されたマーケティング実行環境を提供
そのほかにも、電通が提供しているイグニッション・ワンのようにリスティング広告、ディスプレイ広告、Facebook広告までクロスチャネルで効果測定ができるサービスもある。このサービスは、アトリビューション機能も備えており、現在のデジタルマーケティング計測のトレンド的なツールであると言える。
また、リードナーチャリング(Lead Nurturing)領域のサービスも登場している。リードナーチャリングは、潜在顧客層の顕在化を促すための施策であり、インバウンドマーケティングと共に脚光を浴びはじめている。
ナーチャリング(育成)していくことにフォーカスを当てており、既存のメール機能を利用だけでなく、リアルのDMコミュニケーションなどもナーチャリングに含まれる。つまり、アウェアネスとリテンションの中間地点での態度変容を促し、リードを育てることの重要性が再注目されてきているのだ。
ここまで見てきたように、オウンドメディアを取り巻く環境はさらに広く、深く拡張している状況であり、今後ますます広がっていると予想できる。オウンドメディアがデジタルマーケティング基盤として機能しはじめ、アドテクノロジーの進化とそれに対応できる人材が少しずつ登場している中で、いち早くオウンドメディア活用に取り組む企業は、どのような目的で、どのようなコミュニケーションを目指していて、どのような指標で計測を試みているのだろうか。
この「Owned Media Report~オウンドメディアマーケティング戦略の潮流」では、オウンドメディアを中心としたマーケティングに取り組みはじめている企業のキーマンたちに登場していただき、試行錯誤しつつ取り組む中で得られた知見や感じた課題などを語っていただく。1回目の記事は、14日(金) 8時公開予定となるのでぜひご覧いただきたい。

オウンドメディアを取り巻く計測ツールは各カテゴリーで多数存在し、
何を目的としてどのツールを利用するかは大きなテーマであると言える