企業のオウンドメディア活用に焦点を当てた連載『Owned Media Report~オウンドメディアマーケティングの戦略の潮流』が12月からスタートする。連載スタートに先立ち、本記事では現状について整理していく。
トリプルメディアを前提としたマーケティングが国内で加速
オーディエンス・ターゲティングやアトリビューション分析など、テクノロジーの普及を背景にデジタルマーケティング領域がこの1年でますます進化している。その結果、広告主のマーケティングに対するスタンスも変わりつつある状況だ。
潮流の1つとして挙げられるのが「トリプルメディアマーケティング」への取り組みだろう。ペイドメディア、オウンドメディア、アーンドメディアというそれぞれ性格の異なる3つのメディアの総称をトリプルメディアと呼び、それぞれを連携させたマーケティングを行うことをトリプルメディアマーケティングと呼んでいる。その言葉が国内で提唱されるようになって、まだ1年足らずだが非常に早いスピードで定着している感もある。
すなわち、トリプルメディアを前提とした、企業のデジタルマーケティングの体系化またその理解が浸透し、具体的な施策実施に向けた取り組みが盛んになってきている状況だと言える。
(出典:『トリプルメディアマーケティング ソーシャルメディア、
自社メディア、広告の連携戦略』,横山隆治著, 2010/6/25,インプレスジャパン)
ペイドメディアの領域ではオーディエンス・ターゲティングなどによるさらなる効率的な広告投資方法や、第三者配信による出稿効果の検証が、獲得目的の広告だけではなく、ブランディング目的の広告にも利用されるようになってきている。
広告主側が利用するDSP(デマンドサイドプラットフォーム)やメディア側が利用するSSP(サプライサイドプラットフォーム)の登場、RTB(リアルタイムビッティング)の普及など、米国の潮流が日本にも浸透しつつあり、サービス提供サイドが乱立している状況だ。
一方、大きなトレンドとしてインターネット広告をめぐる環境が変わろうとしている点にも注目だ。これまで右肩上がりの需要トレンドで拡大してきたインターネット広告市場だが、今後はマス広告同様に収斂された動きになると予測されている。その理由は、企業が自社に必要なデジタルマーケティングの取捨選択が進んできているからと予想される。
(出典:みずほコーポレート銀行産業調査部)
2012年初頭あたりからマスメディアと同じ動きに収斂されつつあることが分かる
アーンドメディアの領域では、FacebookやTwitterを活用したキャンペーンによるブランディングや話題獲得だけでなく、ソーシャルメディア専用のダッシュボードを提供するサービスも数多く見られるようになってきており、企業のソーシャルメディアの利用方法も試行錯誤から一巡し、マーケットニーズと共に機能し始めてきている。
また、この領域は次々と新しいメディアが誕生する環境にもあり、昨今ではLINE(ライン)やPinterest(ピンタレスト)、Flipboard(フリップボード)などがその代表格である。
Pinterestの特徴は画像だけも楽しめるところ。国内ではまだ黎明期だが米国では爆発的に伸びている
こうした状況の中、マーケティング・コミュニケーションでの利用に関して言えば、商品の持つ課題や施策によってどのメディアを何の目的で使い、どう機能させるのかを選択・判断することが、ソーシャルメディアの数が増えた分だけ難しくなったとも言える。こうしたメディアをいかに活用するのか。裏を返せば、デジタルマーケターの腕の見せ所だとも言えるだろう。
会員登録無料すると、続きをお読みいただけます
新規会員登録無料のご案内
- ・全ての過去記事が閲覧できます
※プレミアム記事(有料)は除く - ・会員限定メルマガを受信できます
- ・翔泳社の本が買える!500円分のポイントをプレゼント
-
- Page 1
-
- Page 3
この記事は参考になりましたか?
- 関連リンク
- Owned Media Report~オウンドメディアマーケティング戦略の潮流連載記事一覧
- この記事の著者
-
松矢 順一(マツヤ ジュンイチ)
株式会社アサツーディ・ケイ クロスコミュニケーション局を経て、伊藤忠商事株式会社情報産業部門でデジタルマーケティングを担当し、株式会社ADKインタラクティブ取締役就任。その後、楽天株式会社メディア事業副事業長を経て株式会社Tube Mogul執行役員就任。著書には共著で『次世代広告コミュニケーション』『トリプルメディアマーケティング』。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア
