帝国データバンクは、100業界231分野の業界動向調査結果を発表した。
業界天気図は各業界の生産や販売、売り上げ、収益動向などから景況感を総合的に判断したもの。最も景気が良い状態を「快晴」とし、以下「晴れ」、「薄日」、「曇り」、「小雨」、「雨」、最も景気が悪い状態を「雷雨」と7段階で表している。
総括
100業界231分野の2013年度天気予測は、「快晴」がゼロ、「晴れ」が9分野、「薄日」が41分野、「曇り」が75分野、「小雨」が60分野、「雨」が35分野、「雷雨」が11分野となった。
また、2012年度と比較して天気の「改善」を見込むのは34分野、「横ばい」が181分野、「悪化」は16分野となった。前年度から78.8%の分野が「横ばい」も、「改善」する分野数が「悪化」する分野数を上回る見通しで、2013年度天気は「曇り」が目立つも改善の兆しが見られると予測。
「快晴」
なし
「晴れ」~「総合商社」「介護サービス・有料老人ホーム」など9分野
「総合商社」は、インフラ、食料など資源事業に次ぐ収益源確保に動く。「介護サービス・有料老人ホーム」は、高齢化の進展にともない需要は増加、積極的な事業所開設が続く。
「薄日」~「戸建て」「マンション(住宅)」「自動車製造」などの40分野
「戸建て」「マンション」は、住宅取得支援策の継続に加えて、消費税率引き上げ前の駆け込み需要の取り込みなどが見込まれる。「自動車製造」は、北米市場の回復と円安基調が追い風。
「曇り」~「繊維製造・紡績(繊維)」「建設機械製造(建設機械)」などの76分野
「繊維製造・紡績」は、自動車や航空機向け特殊繊維の需要はあるが、中国、欧州経済は低迷しており先行きは不透明。「建設機械製造」は、引き続き新興国や資源開発向けの需要見込まれるが、足踏みが続く北米、中国市場の動向がカギとなる。
「小雨」~「地方銀行・第二地方銀行(銀行)」「石油元売り・精製(石油)」などの59分野
「地方銀行・第二地方銀行」は、景気低迷により収益改善が見込みにくいうえ、金融円滑化法終了による融資先破綻の増加も懸念。「石油元売り・精製」は、法規制への対応、需要の縮小に対応するため、事業のリストラが進む見通し。
「雨」~「家電小売(家電)」「紙・パルプ」などの36分野
「家電製造」は、地デジ移行後1年経過するも薄型テレビ需要回復の兆しは見えない。各社生き残りをかけてさらなる業界再編の可能性も。「紙・パルプ」は、紙離れの構造は変わらないなか、安価な輸入紙の市場流入が進み、競合環境は悪化。
「雷雨」~「出版社・出版取次(出版・新聞)」「一般電気事業者・卸電気事業者(電力・ガス)」などの11分野
「出版社・出版取次」は、発効部数の減少は止まらず、消費税増税対応やデジタル版との競合は厳しさを増す。「一般電気事業者・卸売事業者は」は、財務基盤の悪化が続く。値上げによる顧客離れへの対応も必須。
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