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世界各国のマーケターがSLCに集結!「Adobe Digital Marketing Summit 2013」

楽天経済圏における、グローバルウェブ解析ガバナンス戦略に迫る!

世界に向けた飽くなき挑戦、楽天『ウェブ解析フレームワーク』の輸出

 楽天は、買収等で積極的な海外展開に取り組んでいる。それと同時に、国内で取り組んできたウェブ解析の組織・仕組み化を25か国にものぼる海外のグループ企業への“輸出”にも挑戦している。

 国内では『ウェブ解析フレームワーク』として確立してきた楽天のプロセスだが、「グローバル展開をするためには国と社内文化の違いの壁を乗り越えなくてはならない」と鈴木氏は実情を明かす。買収先の企業では別のウェブ解析ツールが導入されていることが多く、それらのデータに基づいて既に日々のオペレーションが形成されているため、SiteCatalystに乗り換えさせるのはなかなか容易ではないという。

 「楽天が日本国内で培ったウェブ解析のノウハウは、SiteCatalystをベースにしたもの。M&Aのメリットとしてあげられる、ベストプラクティスの共有によるビジネスの質とスピード向上の恩恵を授けるには共通ツールの導入は必要不可欠として、根気よくSiteCatalyst導入の説得を続けている」(鈴木氏)

日本の企業文化のニーズから生まれた『ウェブ解析ガバナンス』

 今回のセッションの中心概念である『ウェブ解析ガバナンス』。その始まりは2006年に日本の某グローバル企業が、SiteCatalystのグローバル導入にあたりウェブ解析に適した組織体制を作りたいとの要望であった。それがきっかけとなり、当時ビジネスコンサルタントだったBrent Dykes氏がデータに基づく意思決定が根付いている米国企業のベストプラクティスを調査し、ガイドラインとしてまとめたが契機となった。

 米国では、早い段階からウェブ解析専門チームや最適化の権限委譲が組織ですすめられていた。よってAdobe Summitのような場での組織論に対する啓蒙活動は積極的に行われていたものの、コンサルタントを投入し、忠実に組織設計やプロセス導入に取り組んだのは、世界的に見ても日本企業が最も積極的であった。米国のMBAでKaizenという言葉が普及しているのをみても分かるように、日本における社内プロセスの改善的取り組みは、日本の企業文化の十八番であり、風土にあっていたのかもしれない。

 そんな中、『楽天成功の5つのコンセプト』として『仮説→実行→検証→仕組化』を大きく掲げる楽天のウェブ解析の取り組みは、自社の強みと社風を最大限に生かした結果である。盛況に終わった本セッションに参加して、楽天が戦略的にガバナンス(組織・仕組み化)を実戦している世界のリーディングカンパニーの一つであることを実感した。

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この記事の著者

大山 忍(オオヤマ シノブ)

米国大学卒業。外資系企業を経て2000年にネット広告効果測定ツールを提供するベンチャーに創業メンバーとして参画。その後、バリューコマース株式会社と合併し、アフィリエイトシステムの開発企画やマーケティングマネージャーを務める。

2007年1月にオムニチュア株式会社(現Adobe)に参加、コンサルティングサービスを立ち上げる。ビジネスコンサルタントとして米国のベストプラクティスを日本の課題やニーズに合わせて提供、ウェブ解析やガバナンス(データ主導の組織・仕組化)...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/05/15 10:00 https://markezine.jp/article/detail/17437

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