ドメインが違えば統計も異なる
ユーザから見て一つのサービスに見えても、ドメインを見ると複数のドメインから構成されるようなウェブサイトもあります。サブサービスのための別のドメインを使ったり、ブログサービスなどで表示するときと書くときのドメインが別だったりというようなことは、それなりにあります。
たとえば、株式会社はてなのサービスRimoは、rimo.tvという別のドメインを使っています。これは、Alexaで"hatena.ne.jp"を調べても含まれてはいません。もし「会社としての」トラフィックを他社と比べたいのであれば、Alexaでの比較では不適切となる場合もあるかもしれません。
広告キャンペーンなどのためにある商品のために専用ドメインを取るような企業も同様ですね。Alexaはあくまでも「ドメインの」トラフィック統計ですから、代表的なドメインだけで比較したつもりでいては、同じ運営者による別ドメインのトラフィックを見逃してしまうこともありそうです。
違う性質のウェブサイトは比較しにくい
Alexaが取っているのはページの表示回数です。さて、「ページの表示回数が多ければ人気が高い」という命題は、常に正しいと言えるでしょうか?求める情報を得るまでに何クリックも必要な構成のサイトであれば、Alexaのトラフィックも大きく出ます。
特に、ソーシャルネットワークサービスのように、何十分もサイト内を巡回して、友達や掲示を読んで回るスタイルのサービスは、Alexaでは上位に行きやすいでしょう。それを理解した上で異業種のサイトをAlexaで比較するのであれば構いませんが、基本的には同業や似た性質のサイトを比較するための道具として使うのが無難です。
API経由のトラフィックなどは見えない
WebサービスのAPIやウィジェット(ブログパーツ)経由で広く提供しているサービスがあります。他のサイトにニュース等を提供したり、広告などを貼り付けてもらったりするこれらのサービスのアクセスは、Alexaからはカウントされません。RSS/Atomフィードなどによるコンテンツの提供も、Alexaから見えることはありません。
これらのAPIやスクリプトによるドメインを越えたデータ連携は、ネット上でも少しずつ存在感を増してきています。こういった他サイトとの連携に力を入れているサイトの勢いは、Alexaだけでは見つけられないかもしれませんね。
例として、AlexaでGoogleを見れば、Googleの検索や無料メールのサービスだけでも巨大なトラフィックが出てきますが、それに加えてGoogle AdSenseの広告ネットワークなどで、Alexaで取れるよりずっと大きなトラフィックが存在しているはずです。
まとめ
ドメインを入れるとトラフィックやそのグラフが出てくるAlexaは、直感的でに面白いサービスです。しかし、その原理を考えればなんでも正しく比較できるというわけではないことがわかります。次回はさらに一歩踏み込んで、Alexaの統計データを恣意的に操作する方法などを解説します。