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Owned Media Report~オウンドメディアマーケティング戦略の潮流

「オウンドメディアはブランドフィロソフィーを感じてもらう場」M・A・Cのオウンドメディア戦略


一人のクリエイティブディレクターがストーリを構築

 ── 冒頭で一般的な広告商品とM・A・Cの商品のコミュニケーション構造は逆というお話がありました。M・A・Cでの商品作りが他の企業と異なっているからできることだと思います。どのようなプロダクトラインでM・A・Cの商品はリリースされていくのでしょうか。

 プロダクトアウトの発想ではなく、商品開発と同時にクリエイティブが動き出すので、開発段階からストーリーができていることが大きな違いかもしれません。その流れの中で商品が形になっていくので、商品ローンチ時には商品を取り巻く世界観が完成されています。そのため、お客様は商品とストーリーをエモ―ショナルに理解することができます。

 M・A・Cの場合一人のクリエイティブディレクターがブランドストーリーの構築の全てを仕切っているため、こういった仕組みが実現できています。関わる人数が多ければ多いほど、このような世界観は作りづらいだろうと思います。ストアデザイン、デジタル、ヴィジュアル、ムービーまでの全てを一人のクリエイティブディレクターがマネジメントしています。

 そのため、クリエイティブディレクターに日本人の嗜好を加味してもらうことを、私たちは心がけています。クリエイティブディレクターがクリエーションを行う際には、日本のトレンドやカルチャーも加味してもらいたいので私たちも情報提供を行っています。

 クリエイティブディレクターとしても、世界に発信していきたいので、ローカル対応の重要性はわかっています。常に日本のトレンドをクリエイティブディレクターにフィードバックすることで、効果的にコレクション要素やテーマに反映していってもらうことが私たちの役割の1つです。

コミュニケーションよりライトカンバセーション

 ──最後に、M・A・Cがこれから展開していく施策の方向性に関して教えてください。各接点を通じてお客様に伝えたいことはなんでしょうか。

 お客様にブランドフィロソフィーを感じてもらい、強烈なファンになってもらうことです。冒頭にも申し上げましたが、非常にリッチなアセットを保有しているブランドです。そのブランドをぜひ体感してほしいのです。

 スタンスとしては、コミュニケーションというよりは“ライト(適切な)カンバセーション”を心がけています。常に積極的に話しかけるというよりは、お客様が必要とするタイミングで適度な対話をしたいと考えております。そういったスタンスのため、必要なときに私たちに接していただければ、M・A・Cブランドを体感できる場を作っておくことが大切です。

 今後としては、どのような手段でお客様とのエンゲージメントを築いていくのかを精査していきたいです。店舗のさらなる強化、スマートフォンへの対応、ソーシャルメディアの活用法など、強化すべきポイントはたくさんあります。お客様とのエンゲージメントをより深めるためにどうすればよいのかを、日々考えていくことが私たちの役目です。

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この記事の著者

松矢 順一(マツヤ ジュンイチ)

株式会社アサツーディ・ケイ クロスコミュニケーション局を経て、伊藤忠商事株式会社情報産業部門でデジタルマーケティングを担当し、株式会社ADKインタラクティブ取締役就任。その後、楽天株式会社メディア事業副事業長を経て株式会社Tube Mogul執行役員就任。著書には共著で『次世代広告コミュニケーション』『トリプルメディアマーケティング』。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/06/19 13:14 https://markezine.jp/article/detail/17835

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