開発現場を覗く プログラミングはそんなに大変なことじゃない
では、僕の経験からどんな具合でWebサービスの開発が進むのか、事例を踏まえて紹介しましょう。
まず、認識してほしいことがひとつ。プログラミングは、なかなかその道の人でなければ把握しにくいために、それが必要になる「実装」部分というのはすごく大変なんじゃないかと思われるかもしれません。でも、実際のところ、仕様さえ決まっていればそんなことはないのです。むしろ企画と運用の部分が時間を費やし、苦労するべきところだと分かってきました。
例えば、僕が開発を務める「ボケて(bokete)」の場合、企画立案から実際にコードを書き始めるまでに半年程度かかった記憶があります。それに対して、実装行程であるコードやHTML/CSSなどの記述はおおよそ2ヶ月で完成しました。むしろ、設計がよろしくないと後々運用や改善で苦労するハメになるので、ここはある程度は時間をかけてもいいかもしれません。
現在、ボケて(bokete)では、少数ながらもそれぞれ役割を持って改善や運用を行っています。Webアプリのバックエンドシステムに関しては僕が担当し、iOSとAndroidアプリの実装はパートナー企業の方が、インターフェースデザインと運用におけるサポートはもうひとつのパートナー会社、重要な全体のディレクションは弊社オモロキのメンバーが携わっています。
月1回から2回の打ち合わせとメーリングリストと電話でのやり取りで、普段はバラバラの場所にいながらも開発ができています。ものづくりに対する意識が高く、個々の役割がハッキリしているため、やり取りが比較的スムーズに進むので、こうしたオフィスを持たないやり方も実現できています。
まとめ
動的なWebサイトの制作過程を、少し駆け足で紹介しました。マーケターの皆さんにはあまり馴染みがないツールの名前がいくつか出てきたと思いますが、特に深追いする必要がないと判断すれば「あー、こういうものもあるんだなー」程度に覚えておいてください。
また、もしこうしたツールが気になったり、使ってみたい!と思ったら開発担当者に教えてもらうといいかもです。意外とプログラマの方はいろいろな職種の人に、「自分が何をやっているのか」を伝えたいかもしれません。
さて、次回は最終回。昨今多様化するデバイスの話をしてみたいと思います。
Webの記事を読むのもいいけれど、リアルゆーすけべーさんに会って直接講義を受けませんか?
本講座では、実際のWebサービス制作における事例やエピソードを交えながら、ディレクターの役割と必要なスキル、そしてチームの共通言語となるWeb基礎技術について学びます。Webディレクターに成り立ての人やWebクリエイターとのやり取りがイマイチうまくいかない人にオススメです。