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イベントレポート

大塚食品・サッポロビール・ネスレ日本に学ぶ、ソーシャルメディアの課題と可能性【WOMマーケティングサミット2013レポート】

ソーシャルメディアだからこそ、できること

――では実際に、ソーシャルメディアをどのような目的のために使っていますか。

大塚製薬 加藤明氏

加藤:以前、クリスタルガイザーのTwitterアカウントが謝りすぎと話題になったことがあります。キャップが少し開けづらい、水が並々入っていてこぼした、といった声がソーシャル上にあったので、なぜこうゆう風になっているかという説明や、フォローをしました。するとユーザーからも、好意的な返信があったり、理由を話せば納得してくれたり。

 このようなことは、マスではできないことですよね。非常に小さい範囲かもしれないが、こういったところも非常に大事だと思う。これはソーシャルメディアでできる一つのことだと思います。

――一人あたりの生涯価値が分かりやすい、通信会社や航空会社ではアクティブサポートが流行っていますが、飲料会社で行うケースは珍しいですよね。最初にTwitterアカウントを作る時に、このような使い方を想定していたのですか。

加藤:最初は細かいアプローチをしてマス広告では足りない部分を補うために始めました。そこでいわゆるソーシャルリスニングをしてみると、思ってもみなかったような意見が多いことに気付いたんですね。全体のコミュニケーションプランニングの重心としてはマスにあります。そしてマスでは足りないところを補うためにソーシャルメディアを活用しています。

サッポロビール 森勇一氏

森:サッポロビールでは4つのfacebookページを運営していますが、今日はサッポロビールとエビスビールの2つの事例についてお話したいと思います。

 サッポロビールは会社のfacebookページなので、「企業価値の向上」が運営の基準になています。特定の銘柄ではなく、ビール全体を好きになってもらうといったところです。そしてエビスビールのfacebookページは、エビスのブランドを前面に出していく感じですね。

――他のマーケティング施策ではできない、ソーシャルメディアならではのコミュニケーションにおける役割はありますか。御社のなかではどう定義されているのでしょうか。

森:エビスのfacebookページに関しては、ブランド担当者の主導で、サッポロビールのfacebookページはデジタルマーケティング室が担当しています。

サッポロビールfacebookページの投稿(左)5/26(右)5/19

 上記は昨日、日曜の夜10時にアップした投稿です。日曜の夜にみなさんが何をやっているかというと、布団の中でごろごろしながらfacebookの友だちの投稿をみたりしていると思います。

 そこに人がいるということはわかっているので、そこでどんな投稿をすれば、みなさんが反応するのかを知りたかったので、先週の日曜日と昨日の投稿を比較します。そしてファンから投稿されたコメントをブランドと共有して、コンテンツの修正に活かしていきます。

――では、津田さんの場合はいかがでしょうか。

ネスレ日本 津田匡保氏

津田:ネスカフェアンバサダーは、コミュニティのようなつくりになっている自社サイトにあがってきた、顧客の声が発端となり始まったプロジェクトでした。もともと家庭向けに開発されたマシンを、オフィスで使っているという声がWeb上で聞こえてきたことがきっかけです。お客様の声をベースに、いろんな製品やサービスを開発していこうというスタンスですね。去年の秋から本格的に始めて、8万件の応募数を突破(2013年5月下旬現在)しました。

 公式facebookページのファン数は10万人を突破(2013年4月末現在)しています。もともとは、リーチできる層を広げるために広告枠的な意味で立ち上げました。

 それがだんだんと投稿を重ねていくと、そこから顧客の声が聞こえてくるようになりました。つまりコミュニケーションの開発にすごく役立つとわかってきたんですね。そして今は、そちらの用途に重きを置いています。

ネスレのインサイトギャザリングの事例

――社内におけるソーシャルメディア活用への取り組み成果はどのようなものがありますか。

津田:「夏なのでアイスコーヒーをマシンで楽しんでください」と投稿した際に、ユーザーの皆さんから「夏場にこんな使い方ができるとは知らなかった」という声がたくさん聞こえてきました。ホット専用だと思っていた方が多かったんですね。そして調べてみると、3割くらいの人しか夏はマシンを使用しておらず、7割もの人は夏にマシンをしまっていることがわかりました。

ネスカフェ アンバサダー Caféのfacebookページより。ペンギンみたいなマシンがかわいいです。

 そこで急きょアイスレシピをつくって、ユーザーのみなさんに公開しようといったことに取り組んでいます。このように投稿をきっかけに、いろいろなサービス改善を行っています。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/06/11 08:00 https://markezine.jp/article/detail/17922

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