マルチデバイスとソーシャルメディアの連携で
「mixiクリスマス」には1日平均100万人を動員
一方、マルチデバイスによるネット上でのコミュニケーションが爆発的に活性化した例が、ソーシャルネットワーキングサービスmixiのクリスマス期間限定のネットイベント「mixiクリスマス」である。mixi上で「あと◎日でクリスマス」とつぶやくだけのシンプルなイベントながら、1日で平均100万人がアクセスするほどの人気で、2009年より4年連続で開催されている。
画面に表示された友人の「クリスマスソックス」をクリックすると、小人がプレゼントを持ってくる。ただしクリックできるのは1日1回のみ。「マイミク」と協力し合ってプレゼントを集めるという仕組みだ。

「テレビの前でスマートデバイスを持つ人」が楽しめるコンテンツや仕掛けとは?
そして近年、バスキュールが取り組みつつあるのが、「テレビ×スマートフォン×ソーシャルメディア」の連携による施策である。2008年くらいまで、バスキュールは、デジタルサイネージとガラケー、デジタルサイネージとスマートフォンという組み合わせで多数のプロジェクトを手がけてきた。男性向け香水「アックス」のプロモーションでは、好みの女性の声をアラームとする仕組みや、「東京ガールズコレクション」ではデバイス上で自分のアバターとモデルたちとの交流を演出する仕組みなど、話題になったものも少なくない。
その上でさらに『テレビとの連携=テレビの前でスマートデバイスを持つ人が楽しめるコンテンツや仕掛け』について考え続けているという。その一つが「テレビCMとの連動」である。前述の「mixiクリスマス」のテレビCMを放映し、その中でCMを見ている人だけにデジタルギフトをプレゼントするという仕組みを提供したところ、3日間のCM放映中に56万人の参加があったという。「ソーシャルとCMの連携が予想以上にユーザーに響くという実感を得られた」と西村氏は評する。

さらにソニーのテレビプロモーションにも参加。2012年3月に放送された『MAKE TV』(TBS)では「KARMIN(カーミン)」のミュージックビデオを「みんなでつくる」というコンセプトで、テレビの生番組とスマートフォンの連携を行った。視聴者はソニーが提供するAndroidアプリをダウンロードし、番組に合わせて画面上に表れる「PUSH!」に合わせて、スイッチを連打する。「PUSH!」が一定数を超えると番組内の装置が動くというものだ。
「深夜枠ながら2.2%、約90万人が参加するなど、ダブルスクリーンの事例として大成功を収めた。バスキュールは裏側の仕組みやサーバーを提供したが、生番組だったため、タップ数が想定に届かず装置が動かなかったものもあり、瞬間で急増するデータ量にも最新の注意を払った」と西村氏は振り返る。

http://www.sony.co.jp/united/makedotbelieve/ds/