営業とマーケティングの違いは、対象セグメント
それでは、B2Bマーケティングにおける「マーケティング」と「営業」の違いはどこにあるのでしょうか。
あえて分けるのであれば、それは対象とする範囲(セグメント)の違いです。B2Bマーケティングでは、対象とする企業が一定のセグメントになります。つまり、関東近郊の企業とか、上場企業とか、グローバルスタンダードな会計システムが必要な企業というセグメントです。
一方、営業は具体的な企業名まで挙げて、その企業に対してどのようなアプローチをして売りたい物を売りに行くかを考えています。企業内のステークホルダーや組織図、購買状況、競合状況などを分析して売り込みに行くのです。
つまり、マーケティング部門がセグメントした顧客層を、営業部門が顧客化していることになります。
B2Bマーケティングにおけるプロモーションとは
マーケティングの基本に、価格(Price)、製品(Product)、Place(チャネル)、プロモーション(Promotion)の4Pがあります。B2Cマーケティングにおいては、この4Pのすべてがマーケティング部門の役割です。
しかし、B2Bマーケティングにおけるマーケティング部門単独の役割は価格、製品、チャネルの3つのPであって、最後のP、プロモーションについては営業部門との協業が必要です。
まずは、プロモーションについて説明しましょう。B2Bにおけるプロモーションの目的は、大きく分けて、「ブランド認知度の向上」と「リードジェネレーション」の2つです。リードジェネレーションは、セミナー等を開催して見込み客のリストを獲得すること。旧来のマーケティングにはなかった、新しい概念です。
ピーター・ドラッカーが、「マーケティングの目的はセリングを不必要にすることである。マーケティングの目的は、顧客について十分に理解し、顧客に合った製品やサービスが自然に売れるようにすることなのだ」としているように、需要喚起され顧客にブランド認知され製品が勝手に売れていくことを正としました。この意味で、リードジェネレーションはマーケティングの本質からは少し外れるのかもしれません。
しかし、四半期ごとに業績評価を行なわなければならない企業方針(会計方針)によって、ブランド認知という長期的なマーケティング活動に加えて、営業の受注を支援する短期的なリードジェネレーションにも重点が置かれるようになりました。
営業部門は、自部門の業務効率化を図るために、より受注に繋がりやすい高品質なリードをマーケティング部門に求めます。マーケティング部門は、営業部門が受注につなげやすい、営業方針にマッチしたリードを獲得する必要があります。プロモーションにおいて、営業部門とマーケティング部門の協業が必要なのは、リードジェネレーションがあるからです。
ちなみに、リードジェネレーションも重要ですが、ブランド認知度の向上も大切なマーケティング活動ですので、同時に実行する必要があります。
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