Responsive, dynamic serving mobile
次に、流行りのレスポンシブ・デザインについて。こちらのゲストは、Milestone Internet Marketingの Benu Aggarwal氏でした。
ご存じのようにGoogleはレスポンシブ・デザインを推奨しています。もちろん、直接的にランキングに大きな影響があるわけではないですが、更新の手間が減り、検索エンジンのクローラーとも相性がよいからです。
Aggarwal氏は、レスポンシブ・デザインの良いところ/ダメなところを以下のようにピックアップしました。
レスポンシブ・デザインの良いところ
- PC、モバイル、タブレット等1つのコンテンツで対応ができるため、重複コンテンツの問題がなくなる
- リダイレクトで発生するミスがなくせる
- 検索エンジンがクロールしやすくなる
- 構築した後のサイトメンテナンスが比較的容易になる
- 情報がシェアしやすくなったりリンクが張りやすくなる
レスポンシブ・デザインのダメなところ
- 通常のウェブサイト制作よりも開発費がかかる
- コーディングが複雑になり、開発に時間がかかる
- サイト上にオンライン広告が掲載しにくくなる(画像や仕様の問題)
Googleでは、数年以内にユーザーの過半数がモバイル(スマートフォンやタブレット)ユーザーになると予測していて、今後はマルチデバイス対応で、かつ、モバイルサイトを基準にPCサイトを考えていく必要があると説明していました。ちなみに、米国で最もモバイルを利用している層は35歳~54歳の女性のようです。
ダイナミック・サービングがよりオススメ
レスポンシブ・サイトにも2つのパターン、クライアントサイドで処理するものとサーバー側で処理するもの(Dynamic Serving ダイナミック・サービング)があります。Aggarwal氏は、後者を推奨していました。
レスポンシブ・サイトでは、1つのコンテンツをマルチデバイスで利用することが一般的ですが、ダイナミック・サービングの場合、デバイスごとにコンテンツを変えられ、表示スピードも速くなります。
米国comScoreの調査によると、サイトの表示が1秒遅れるごとにコンバージョン率が7%下落するというデータもあり、サイトの表示速度は重要な要素の1つだとの考えによるようです。
10デバイスでの表示がわかる、便利ツール
セミナーの中で便利そうなツール「Screenfly」があったので紹介します。

URLを入力すると、10種類以上のデバイスで自社サイトがどのように表示されるのかがわかります。海外のツールなので、日本国産のスマートフォンの表示に対応していないのが残念です。
あとがき
今回のSES San Franciscoですが、検索エンジンマーケティングだけというよりも、デジタルマーケティング全般に関するセミナーが多かったように感じました。広告やデバイスの多様化もあり、デジタルマーケターは実にいろいろな情報を吸収せねばならず、たいへんですね。
このSESイベントについて、拙著『海外SEO SEM』に$100オフのクーポンコードが入っています。次回以降参加される方は、ぜひご活用ください。
本記事で使用した写真は、株式会社ルグラン代表 泉浩人社長より提供いただきました。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。