ケース3:コンバージョンしたユーザーから全体を最適化する
まず、全体を大雑把に把握したあとは、必ずコンバージョンしているユーザーにフォーカスし、数値を再度大雑把に出して、その違いを比較することが大切です。そこから見えてくる部分、施策があります。なので、Google アナリティクスにしても、自前のログ検索システムにしても、コンバージョンしたユーザーでセグメントして結果を比較する環境は整えておくとよいでしょう。
ポイント1:コンバージョンしたユーザーが使用した機能から改善する
ここでは、求人情報サイトを例に考えていきましょう。仮に、ユーザー全体とコンバージョンしたユーザーを比較して、以下のような結果が出たとします。

利用した割合で言うと、「お気に入り画面」は、ユーザー全体、コンバージョンしたユーザーともに低いかもしれません。しかし「お気に入り」を利用したユーザーのうち、コンバージョンした割合は60.8%と非常に高いことがわかります。このような結果が出たら「もっとお気に入りを使ってもらう工夫をすれば、コンバージョンに結びつくのでは?」という仮説が生まれます。
ポイント2:コンバージョンしたユーザーの検索条件から改善する
ユーザーが利用した検索条件を出力したログ(ケース2のポイント1で紹介)を、コンバージョンしたかしないかと結びつけ、以下のようなレポートを作成します。

その結果、コンバージョンした人としていない人とでどのような違いがあるのかをまとめたのが以下の表です。

ここでどの検索カテゴリが成果に結びつくのか、どのような組み合わせが成果に結びつくのかを考察し、よりコンバージョンさせるよう、ナビゲーションの改修、ユーザーの導線の見直しを進めます。
この例では、「全文検索」や「時給」については、コンバージョンに結びつく検索結果とは言えないので、表示位置を下げたほうが利用が減るので、よりコンバージョンしているユーザーに近い使い方をさせることができます。逆に言うと、「大エリア」については、コンバージョンしているユーザーの8割以上が使っているので、サイト上の目立つところに配置することが望ましいと考えます。
まとめ
データをもとにサイトを改善する手順の中で大切なことは、適切な場所に、適切に評価可能な形でログを出力することです。そのログがあって、初めて大雑把に把握することから脱却し、正しく指標を追いかけることができます。そして、施策を打つ際には、評価ポイントを明らかにした上で、取り組むと良い形でPDCAサイクルを回すことができます。
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