SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

新着記事一覧を見る

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第107号(2024年11月号)
特集「進むAI活用、その影響とは?」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

[強化編]ノンクリエイターのためのWebコピーライティング講座

ジョブズも使いこなした「名言製造術」 コピーだけでなく発想力もつく言葉のマジック


 文章は問題なく書けるけどコピーの成果はイマイチ……というあなたのために、Webコピーならではのお作法をお伝えします。Webコピーのレトリック第2回、今回は隠喩についてお届けします。

隠喩(メタファー):イメージや本質が似たものに置き換え

 「この機械はタイムマシンです。戻したいと思う場所へ連れて行ってくれるのです」

 やり手のクリエイティブ・ディレクター、ドン・ドレイパーは、次々と自身の家族の写真を投影しながら、回転式スライドプロジェクターをそう表現した。

 1950~60年代のアメリカの広告業界を描いた傑作ドラマ、『Madmen』の中でのひとコマ、ドレイパーがコダック社に、ネーミングのプレゼンをするシーンである。彼は、その車輪のような回転トレイ(スライドを格納する部分)のついたプロジェクターを、「回転木馬(カルーセル)」と言い表して、クライアントの心をつかむ。エピソードはフィクションだが、コダックのカルーセル・プロジェクターは実在の商品である。

 うまいなぁを通り越して、沁みる表現だ。<回転木馬>もさることながら、プロジェクターを<写真を映し出す=過去へいつでも行ける機械>というイメージから、「タイムマシン」と称したセンスに感心したのだ。

 こうした、全く違うがイメージや本質が似ているものに置き換えるレトリックを<隠喩(または暗喩、メタファー)>と言う前回、比喩のひとつ<明喩(または直喩、アナロジー)>について述べた。明喩は<雪のように白い>など形や色、感情などを似ているものに置き換える、あるいは似ているもので形容するレトリックだ。

 フォルクスワーゲンをその形状から<カブトムシ>と言ったように、プロジェクターの形状から<回転木馬>と表現したのは明喩とも言える(ドレイパーのプレゼンスピーチを聞くと隠喩とも言える)。

 一方、隠喩は<人生とは旅だ>のように、イメージしやすいものばかりではない。映画『フォレストガンプ』で印象的なセリフ、「人生はチョコレート箱のようなもの」といった言葉の置き換えのギャップが大きな表現もある。

 大きなギャップは読み手や聞き手に「!」や「?」といった強い印象を与えたり、好奇心を起こさせたりする。それだけに注目せざるを得なくなる、忘れがたくなる、パンチの効いた言葉となる。

【締切間近】10/17(木)「ノンクリエイターのためのWebライティング講座」開催

インターネットにより、誰もが気軽に情報発信ができる時代。裏返してみれば、誰もが責任ある文章を書かなくてはいけなくなったとも言えます。どんな情報を、どう表現して発信すればいいのかお困りの方へ。流行りのトリプルメディア、ソーシャルメディア、ペイドメディア、オウンドメディアについて、SEOを踏まえたWebライティング術をそれぞれのプロ講師が教えます。

★☆★「トリプルメディア時代を乗り切る!ノンクリエイターのためのWebライティング講座」の詳細・お申し込みはこちら★☆★

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
ジョブズの名言は隠喩から生まれる

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
[強化編]ノンクリエイターのためのWebコピーライティング講座連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

有田 憲史(アリタ ケンジ)

 コピーライター(キャリア24年)。主な仕事は広告や販促ツール、Webサイト、IRツール、ダイレクトマーケティングの企画やコピー。時々マーケティングプランナーも。その他さまざまな仕事もこなしており、ネット通信講座のコピーライティングの講師、マーケティングコンサルタントやゴーストライターの経験も。これまで担当した業界は電機メーカー、IT、不動産、自動車メーカー、健康食品、流通、食品など。

●ブログ「コピーライターが思わず ! となったコピー。」
●Twitter:ありけん@arikenunited

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2013/10/09 13:50 https://markezine.jp/article/detail/18546

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング