世界が注目する3つの音楽スタートアップ
今年も世界のデジタル音楽ビジネスでは、テクノロジー企業の活発な展開が目立ちました。例えばアップル。9月の新型iPhone発売に合わせて、無料の音楽アプリ「iTunes Radio」を投入し、音楽ストリーミングサービスの分野に進出してきました。それからグーグル。5月にクラウドのストレージと音楽ストリーミングとオンラインラジオをひとつにした「Google Play Music All Access」を開始して、Spotifyなどが先行する音楽サービスに本格参入しました。
一方で、この数年の間に大企業とは違ったアプローチで、ユーザーのライフスタイルに合わせて音楽コンテンツを提供するスタートアップも数多く出現してきました。今回は、世界が注目する音楽スタートアップを3つピックアップしてみました。
Soundrop ~誰かと一緒に音楽を楽しむ喜び~
世界中でここ最近、ビジネスモデルが注目を集めているサブスクリプション型音楽ストリーミングサービス「Spotify」。Spotifyのユニークな点は、ブランドやメディア、サードパーティのサービスなどと音楽ビジネスのエコシステムを形成していることです。
「Soundrop」はSpotifyのエコシステムから生まれたスタートアップで、新しい音楽の見つけ方と聴き方をソーシャルグラフのチカラで変えようとしている音楽サービス。簡単に説明しますと、音楽ファンどうしが好きな音楽のジャンルやアーティストの曲をリアルタイムで再生しながら聴くことができて、さらにチャットができるインタラクティブ性の高い音楽コミュニケーション・サービスです。
膨大な楽曲数とジャンルを持つSpotifyのカタログをもとに、Soundropユーザーはさまざまなジャンルの仮想リスニングルームを設置していきます。その中でユーザーどうしが再生する楽曲をリストアップしたり、曲を聴きながら情報交換できる、シンプルな作りになっています。
Soundropはそのユニークな機能で、同じ音楽を好きな人が一緒に楽しめる要素を加え、音楽を軸にしたコミュニケーションやインタラクションを可能にします。この機能は、音楽好きにとっての新しい楽しみ方を実現するだけでなく、プロモーションやマーケティングにも効果を発揮できるのです。実際に世界ではロビン・シックやImagine Dragonsといった大物アーティストが、プロモーション用に、ファンとのリスニング・イベントやチャットをリアルタイムで行う活動を行っています。
Soundropは音楽リスナーとのエンゲージメントを最大化できるサービスとして評価され、Spotifyを使ったスタートアップとしては初めて、起業投資家からこれまで600万ドル以上の投資を受けて、なおも成長を続けています。