施策を検討する
ここまで数値を出したのに、サービスの改善に活かせなければ、ただの数値遊びをしているに過ぎません。しっかり施策を検討しましょう。
「コメントをすれば翌日も来る割合が高い」と言うのがわかったので、チュートリアルでは、しっかりコメントするように促したり、コメントしやすい記事への誘導を行います。その際に最初に出したアクション利用率の推移を確認して、しっかり目的の動作をしている人が増えているか確認し、その結果の翌日継続率がどうなったかを確認しながら保守を行います。
今回の例では、コメントが一番多いですが、その他アクションと大差がある訳ではないので、「コメント」と言う能動的な動作よりも、半受動的にできる「フォロー」「いいね」にフォーカスしてしまっても良いと考えます。
その他の切り口として
上記で紹介したもの以外に、いくつか継続率を上げるために見た方がよいものを挙げます。
アクションの深度で見てみる
さらに効果を上げるために、検討できるポイントとしては、アクションを何回すれば、どれだけ翌日継続率が高まるかをチェックします。これを私はアクションの深度と呼んでいます。

この図では、1人フォローしただけでは、翌日に来る割合が42.0%に対して、5人フォローすれば73.6%にまで上がると言うことがわかります。それであれば、Twitterのように、「チュートリアルの中で5人以上フォローさせよう」という具体的な目標数値を掲げ、施策を検討することができます。
被アクションで見てみる
今まではアクションをするというユーザーの行う動作について説明してきましたが、アクションを受けた人の動作(例:コメントをもらう、フォローされる、いいねされる等)でも同様のアプローチで数値を出してみます。
アクションを受けることが、継続率に寄与することがわかれば、新規ユーザーがそれ以外のユーザーの目に留まるような、施策、モジュールを検討します。
最後に
今回の記事で大事なアプローチである、「条件を満たしていない人」を「条件を満たしている人」の利用に近づけることはさまざまなサービスや指標の改善に役立ちます。次回はもう少し長い期間での継続について説明します。