ますます複雑になる商品フィードの管理
前回の記事でも少し触れましたが、商品リスト広告の成功のカギとなるのはAdWords側の設定以上に、Googleマーチャントセンターの設定です。Googleマーチャントセンター内のデータを商品リスト広告向けに最適化することによって、ユーザーに適切な広告を表示させることができ、それが結果的に広告の費用対効果の向上にも結びつくのです。
一方で、企業にとってはGoogleのマーチャントセンターに送るデータだけを特別に管理すればいいのかというとそうではありません。マーチャントセンターへ送るデータにはその元になる商品データベースが必須です。さらに、マーチャントセンターと企業の商品データベースの仕様は異なるため、専用のフィード構築を行わなければ、継続的な情報の更新ができず、商品リスト広告を続けることはどうしても難しくなります。
Eコマースの多くは商品の種類が多岐に渡り、日々在庫の数や価格、新商品の追加などの変動が行われています。商品データベースの更新だけでなく、それを外部システムであるマーチャントセンター用に整形しリアルタイムに更新していくのは、商品点数が少ない企業を除いて、ある程度自動化しない限り継続することは難しいと考えられます。
加えて、企業がデータを提供する外部のプラットフォームは、Googleマーチャントセンター以外にもたくさん存在します。ショッピングサイトや比較サイト、アフィリエイトなど多種多様にわたり、今後も増えていくことが考えられます。

上図は米国で一般的なデータフィードサービスが対応しているショッピングサイトの一覧です。さらにこれにアフィリエイトなども加えていくとなると、手動で管理するのが厳しいことがわかるでしょう。
Eコマース発展にともない、データフィード最適化はますます重要に
そのためここ数年は、中間処理を行うシステムの構築や、自動的に各外部システムに対応したフィードを管理する中間処理サービスのニーズが急速に高まっています。

この中間処理サービスはデータフィード最適化ソリューションとも言われ、米国では Edgenet、GoDataFeed などのような専門業者のほか、Magento のようなショッピングカートベンダー、iProspect や Performics のような代理店など、さまざまなプレイヤーが参入してきています。
商品リスト広告は商品データを活用した広告の代表例ですが、商品リスト広告の最適化だけでなく、今後も増えていくショッピングエンジンにも対応するために、こういったデータフィード最適化サービスを活用する企業が増えています。日本においては、フィードフォースやTAGGY、コマースリンクのようなフィード最適化サービスだけでなく、GMOペイメントゲートウェイのような決済系サービスが商品リスト広告の運用代行サービスを発表するなど、にわかに盛り上がりを見せています。
商品リスト広告のボリュームを増やし、費用対効果を高めていくためには、こういったデータフィード最適化ソリューションを活用しながら、AdWordsのキャンペーン設計をうまく連動させて運用していく仕組みを構築することが求められます。
さて、商品リスト広告が拡大していく現状と、最適化に必要なデータフィード最適化の仕組みについてご理解いただけましたでしょうか。今後のEコマースの発展において、データフィード最適化という概念はより重要度を増してくると考えられます。商品リスト広告をきっかけとして、多くの事業者がトライされるのではないかと期待しています。
次回の連載は、そのデータフィード最適化サービスを提供するフィードフォースの川田さんにバトンタッチします。商品リスト広告の最適化について、Googleマーチャントセンター構築の側面からわかりやすく解説していただきます。引き続き連載をお楽しみ下さい。