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ツライだけじゃない。お客さんを次のステージに連れて行く、それが検索連動型広告だ!【Search Summit Tokyo 2013レポート・後編】

デバイスの多様化、管理画面の多機能化、運用業務の自動化

 岡田吉弘氏
岡田吉弘氏

岡田 10年前は、タブレットやスマートフォンはなかった。デバイスの進化に合わせて、検索エンジンや検索結果を変える部分はあるのか。

山下 デバイスは皆さんが一番注目しているところだと思うが、その辺の技術が上がっているのは確か。コンテンツ側は用意しているが、アド側も用意しなければいけないということで、今年ユニファイドキャンペーンをリリースした。

岡田 デバイスの増加にともなって、管理画面でできることが非常に増えたと思う。オプティマイズやマネジメントは昔より複雑になっているのではないか。

阿部 実際、以前より複雑になってきていて、ダメなところが見えなくなってきていることが多いと思う。以前はキャンペーンを分けて、スマートフォンだけでキャンペーンつくることが容易にできた。かつては一目でわかる部分が結構あったが、今はブレイクダウンしていかないとどこが悪いのかが明確に分からなくなってきた。

岡田 管理画面の機能が増えているからこそ、ゆらぎは吸収してくれたりとか、モバイルからの検索だからコール(電話番号表示)オプションを出そうといった自動的な判断は増えていると思う。それが逆に設計する側からするとコントロールしにくくなっている?

阿部圭司氏
阿部圭司氏

阿部 そうかもしれない。結局(検索の)裏側にいる人はだれ?という話。スマホだったら電車の中で触る、だからその時間に配信をちゃんとやったほうがいいとか、そういうことは前より強くなってきたと思う。

岡田 ツールベンダーの全盛期にはAPIをつないでいろいろやっていたが、今は統合プラットフォームのような動きになっている。検索において、媒体側が自動的に調整する流が強くなってきているが、サードベンダーとしてどう舵をきってきたのか。

治田 媒体側は媒体側のデータ以外に検証項目がないが、ユーザーの実際の行動を考えれば、GoogleやYahoo!をまたいで行動するのは当たり前のこと。プラットフォーマー側がそういうデータを取れなかったり限界がある以上、サードパーティであればこそいろんなデータを引っ張ってきて統合して分析ができる。そういう意味では、媒体側が進化してくれたおかげで、ツールのさまざまな機能がハイライトできる状況になってきている。

岡田 しかし、勝てるプレーヤーは決まってきているのではないか。

治田 扱うデータ量が5年前と比べると比較にならないほど増えている。それを支えるインフラやハードウェアを準備できるような会社が必然的に生き残らざるを得ない状況になってきていると思う。

この仕事に向いている人とは?

岡田 この仕事をやってくうえで、採用や育成のポイント、必要な素養、向いている人、向いていない人というのはあるのか。

阿部 間違いなくある。ふたつ言っていることがある。ひとつは「検索の裏に誰がいるかを常に考えろ」ということ。どういうユーザーがいて、どういうタイミングで、どういう気持ちで検索をしてくるのか。クエリについては、「屋形船を探している人はどんなキーワードで検索する?」ということ。「屋形船」というキーワードに入れる(入札する)とCPCが高くなる。答えは何かというと「夜景」だったりする。発想を変えなくてはいけない。みんなが突っ込んでいるところに無理やり突っこんでもキツイので、発想を変えてユーザーに態度変容させてあげる。そういった気持ちをいかに理解できるかだと思う。

 もうひとつは、身もふたもない話だが「検索連動だったら検索連動に依存するな」という話。検索連動に依存している発想の人は、永遠に「屋形船」。依存していないときにはじめて「夜景」という言葉が出てくる。これはたとえ話だが、いろんなジャンルでそういうキーワードは山のようにあって、そこに入れてないだけ。そこをちゃんと発想できるかと依存しない発想、このふたつが一番重要じゃないかと思う。

岡田 使う手法が検索というだけであって、ユーザー行動を眺めていくと、こういう仕掛けができるんじゃないかというのを常に考えるのが大事ということ?

阿部 非常に単純なことではあるが、検索に依存しているとその発想にならない。

岡田 たとえばダイエット食品なら、「もやしレシピ」がいい、みたいな。もやしのレシピを検索している人に、カロリーを気にしない人はいないという。

阿部 正確に言うと「もやしが好きな人はいない」(笑)。「もやしのレシピ」を見ている人は痩せたい人かお金に厳しい人。もやしを愛している人はそんなに多くないと思う。

治田 ひとつ言えるのは、管理画面を見て運用だけしていればよかった時代はもう終わりかけている。周辺のテクノロジーや、まだ関わっていない検索エンジンなどを含めて、全体を設計しないといけない時代がきている。運用者目線であると同時にテクノロジー的な知見も持っておくに越したことはない。他国のクロスカルチャーな部分も今後の素養としては大きくなると思う。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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MarkeZine(マーケジン)
2013/12/05 11:00 https://markezine.jp/article/detail/18938

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