国内通信販売(物販)市場
カタログ通販、テレビ通販、ラジオ通販において、注文手段がインターネットやモバイルである場合は、インターネット通販やモバイル通販に含んだ。また、モバイル通販は、携帯電話(フィーチャーフォン)向けサイトおよびスマートフォン向けサイトを対象とし、携帯電話やスマートフォンからのPC向けインターネットサイトの利用はインターネット通販に含んだ。
2012年は、前年に震災の特需を受けた反動が一部でみられたほか、上位企業への需要集約により苦戦を強いられた下位企業があったものの、スマートフォンの普及拡大と参入企業の対応が進んだことでモバイル通販が大幅に伸長し、市場は前年比6.7%増の7兆973億円となった。
通販形態別では、モバイル通販の伸長が目立つほか、仮想ショッピングモールの充実によるインターネット通販の拡大が続いている。また、小売拠点型通販もネットスーパーの利用増加により二桁成長が続くとみられる。一方、2004年まで市場の50%を占めていたカタログ通販は、参入企業のインターネット通販やモバイル通販へのシフトが進み、2012年の構成比は22%に縮小した。
商品カテゴリー別では、食品・産直品やアパレルが好調であった。また、トイレットペーパーや洗剤など持ち運びが不便なトイレタリー用品を中心とした生活雑貨も拡大を続けている。書籍・ソフトは、送料無料や配達時間の短縮などの利便性の向上により、店舗販売からの需要シフトが進んでいるようだ。
アパレル
スマートフォンの普及拡大に伴い、ファッションEC企業やアパレルメーカーでは通販サイトのスマートフォンへの最適化を進めるほか、ショッピングアプリなどを配布することで、移動時間帯にもスマートフォンで通販を利用できる体制を整え、需要拡大につなげている。
2012年から2013年にかけては、仮想ショッピングモール事業者がアパレル強化に努めており、市場は二桁成長を続け、2013年の市場は前年比10.8%増の1兆7,001億円となる見込み。
アウターウェアを通販で購入することに抵抗がない消費者の増加、インナーウェアの通販購入の一般化と買い替え需要の発生が今後の市場拡大に貢献するとみられる。服飾雑貨については、高価格帯の宝飾品が伸び悩んでいるものの、事業者によっては靴を送料・返品送料無料とする施策を講じている。靴の通販での購入が一般化することで服飾雑貨の市場が活性化し、アパレル通販市場全体を底上げすると期待される。
【調査概要】
調査期間:2013年9~11月
調査方法:富士経済専門調査員による業界関連企業、団体へのヒアリング調査と一部文献調査
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