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プッシュ通知でスマホは最強のメディアになる。ジャストシステムのプロモーテッド・アンケート「FastReach」と「Answerz」

 スマートフォンのプッシュ通知を効果的に使うことで、アンケートアプリが新たなメディアに生まれ変わる。「ナショナルクライアントも安心して利用できるスマホメディアを作りたい」という高い目標に斬新なアプローチで挑戦した、ジャストシステムの「FastReach」と「Answerz」を紹介しよう。

プロモーテッド・アンケート「FastReach」と「Answerz」

 ジャストシステムが2011年10月にリリースした、セルフ型アンケートサービス「Fastask」は、専門知識がなくても手軽に利用できるネットリサーチとして、リサーチのプロから企業の一般のマーケターまで幅広い支持を得ている。

 そのジャストシステムが今年1月、新たなアンケートサービスをリリースした。その舞台となるのはスマートフォンだ。多くの人が肌身離さず持ち歩いているスマートフォンは、マーケターにとって魅力的なデバイスだが、そこに表示される広告は小さい画面を占有するノイズとみなされることが多い。しかし、スマートフォンの利用者が即座に反応してしまう手法がある。「プッシュ通知」だ。

株式会社ジャストシステム事業企画部シニアマネージャ石川英輝氏
株式会社ジャストシステム 事業企画部
シニアマネージャ 石川英輝氏

 アプリを立ち上げていなくても「ピッ」と鳴って通知が届くと、人はパッと反応してしまう。このプッシュ通知を使って情報を届けるため、ジャストシステムは“プロモーテッド・アンケート”という新たなサービスを生み出した。スマートフォンの強みを引き出すバイラルメディア「FastReach」とスマホアプリ「Answerz」について、ジャストシステムで新規事業を担当する石川氏に話をうかがった。

8割の人は5分以内に反応

 石川氏はメディアとしてのスマートフォンの魅力を次のように説明する。「現時点では、自動車をスマホで買う人はいないでしょう。でも、新車が出たとき、いち早くそのクルマの魅力を動画などでリッチに伝えることで、購買の選択肢に含めてもらうことはできる。FastReachでは、アプリでたった3問のアンケートに答えてもらう過程で、それまで知らなかった商品を知っていただき、興味を持ってもらうことができます。さらに、アンケート終了までに、企業のランディングページへ100%お連れすることができるのです」

 「FastReach」は、60万人のユーザーを持つスマートフォンアプリ「Answerz」(iOS版/Android版)を媒体として活用する。「Answerz」は、3問のアンケートに答えるだけでポイントが付与され、ポイント交換サービス「PeX」を通じて電子マネーやギフト券に交換することができる。

 一方「FastReach」は536の属性から条件を指定してターゲティングした「Answerz」のオーディエンスにプッシュ通知を使ってアンケートを配信する。このプッシュ通知が「これまでにない破壊的なリーチを可能にする」と石川氏。「プッシュ通知を使ってアンケートを配信すると、8割の人は5分以内に反応します。残りの2割は、忙しくて反応できない人。この人たちは、あとで時間があるときに回答してくれます。プッシュ通知によってスマートフォンは、情報を届ける最強の入口になるのです」

アンケートという形式がもたらす「プライミング効果」

 プッシュ通知を受けた人は、「Answerz」で3問のアンケートに回答する。問題には画像とテキスト、動画も使うことができる。利用できる動画は、テレビCMと同じ15秒。CMコンテンツをそのまま活用してもいいし、YouTubeで公開している本編を紹介するティザーとして活用することもできる。回答方式はシングルアンサー、マルチアンサーのいずれかを指定する。

 アンケートの途中で企業のランディングページを表示することもできる。ランディングページには、YouTubeやFacebookを指定してもいいだろう。これらランディングページをワンタップでソーシャルメディアにシェアするメニューも用意されている。

 そして最後の質問に答えてアンケートを完了することで、はじめてポイントが確定する。3問という短いアンケートだが、そこで訴求できる情報は非常に豊かなことがわかる。

 このアンケートという形式には、あるユニークな特徴があると石川氏は指摘する。まず、人は「アンケート」と認識した瞬間に、その文章を読んで答えようという体勢になる。つまり精読性と選考性を高められるため情報を確実に伝えやすい。加えて、この性質を利用し、自分ごととして脳のスイッチをオンにさせるような内容のアンケートにできれば、心理学の世界で「プライミング効果」と言われる先行刺激を与え、前のめりの状態でランディングページに連れてくることが可能になるのでは、というのがこのサービスの発想である。

536種類の属性をもとにした強力なターゲティング

 FastReachにはもうひとつ強力な特徴がある。それが「ターゲティング」である。FastReachでは、Answerzユーザーの年齢や性別など16種類の「基本属性」と、「ファッション」や「フード」といった520種類の「興味関心属性」を組み合わせてターゲットを抽出することができる。

 また、回答結果から「Q1の選択肢3を選択した人」「Facebookにシェアしてくれた人」といった多様な条件でオーディエンスリストを抽出可能となっている。これらのリストを活用することで、特定の集団に継続的に接触するシングルソース・マーケティングが可能となる。また、フレッシュなオーディエンス母集団だけに効率的にリーチしたい場合には、除外リストとして利用することもできる。

予算外でできる、おまけのアンケートも

 FastReachでは、クライアントにとってうれしいプラスアルファも提供している。さきほども触れたように、FastReachでは属性を指定してアンケートを配信する。しかし、条件に合う人が10万人いたとしても、5万人に配信する予算しかない場合、条件に合う人が5万人余ってしまうことになる。このとき、予算外でアンケートを行う仕組みを用意しているのだ。

 そのプロセスは非常にユニークで、アンケートに回答した5万人の力を借りてアンケートの回答権をプレゼントするというものだ。アンケートを完了すると、Answerzユーザーのニックネームが3名提示され、この中からひとりを選択すると、その人にアンケートを配信することができる。そして、ゲーミフィケーションによって、プレゼントした人も、された人も、アンケートに答えることでさらに大きなポイントを獲得する機会が与えられる。

 予算外で行われる、いわばおまけのアンケート。これは、オーディエンスのアクティブ率を高く維持することにも貢献している。

シェアされるアンケートの作り方

 FastReachは、アンケートを作成したことがない人でも手軽に利用することができるのも強みだ。ここで石川氏は、シェアされやすいアンケート、シェアされやすいランディングページの作り方を教えてくれた。

 まず「ネタにされやすいということが大事」という石川氏。人々をインサイダーな気持ちにさせられるアンケートが、ソーシャルで拡散されやすいという。あるいは、クイズのようなもの、それも間違った答えを選ばせたり、すべての選択肢が正しいものなど、意外性をもったものが効果的だという。「まさかAのはずはないだろう」「え?全部正しいの?」といった反応が得られ、シェアしたいという動機づけにもなる。

「固めの内容がネタになるには“驚き”が必要」と語る石川氏
「固めの内容がネタになるには“驚き”が必要」と語る石川氏

 「ネタになるのはトリビア的な面白情報。企業のコンテンツは、ブランドの特徴やスペック的な固い話になりがちですが、そうなるとなかなか拡散されません。しかし、それをどう見せるかは工夫次第。たとえば、“月額費用”というスペックも、時間単位の金額にしたとき、『安い!』という驚きを与えることもできるのです」

 こうした表現へのこだわりやノウハウの背後には、日本語ワープロソフト「一太郎」、日本語入力システム「ATOK」のメーカーとして培ってきた、ジャストシステムの日本語処理についての研究成果とノウハウがある。

ナショナルクライアントが安心して使える媒体

 これだけ多くの人たちがスマートフォンを使っているのに、そこに情報を届けられないことにもどかしさを感じていたという石川氏。企業のマーケティング担当者も感じていたこの課題に挑戦するのは多くのハードルがあったが、「FastReachは、ナショナルクライアントにも安心して使ってもらえる媒体に仕上がった」と胸を張る。

 ジャストシステムは現在、ネットリサーチ、ネットアンケートのほかにも、BIツール、Eコマース、学習サービスなど、次々と新しい市場に参入している。その中でも、スマートフォンに特化したFastReachはまさに“破壊的イノベーション”ともいうべき画期的なサービスだ。とくにメールというコミュニケーションツールが過渡期を迎えつつある今、指定した人数をランディングページへ動員することで「開封率100%のDM」ともいえるマーケティングROIを実現するプロモ―テッド・アンケートは、マーケターにとって大きな武器となるだろう。

 スマートフォンというデバイスへのアプローチを模索しているマーケターは、ぜひFastReachを利用して、新たなマーケティング施策にチャレンジしてほしい。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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MarkeZine(マーケジン)
2014/03/05 11:00 https://markezine.jp/article/detail/19357