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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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クロスチャネルキャンペーンマネジメントの潮流

最近よく耳にする「キャンペーンマネジメントシステム」 正しく理解できていますか?


なぜ今CMSなのか

 日本企業では最近まで一部を除いてCMSの導入があまり進んでいませんでしたが、ここにきて注目が集まり導入が本格化しつつあるのには理由が3つあると思います。

理由1:One-to-Oneコミュニケーションへのニーズの高まり

 ソーシャルメディアをはじめとするコミュニケーションチャネルの拡大と流通する情報量そのものの飛躍的増大によって、従来のブロードキャスト型のメッセージは消費者に届きにくくなっています。また、企業と個人でアクセスできる情報の格差(情報の非対称性)が急激に縮小し、ソーシャルメディアの浸透もあって今や消費者は情報の一方的な受信者ではなく、大きな影響力を持った発信者でもあります。

 マーケティングの主役となった現在の消費者に企業がメッセージを届けるためには、企業側の都合で一方的にメッセージを送りつけるのでなく、個々の消費者にとって望ましいタイミングとチャネルで必要な情報を届ける、一人一人と「対話」するようなコミュニケーション=One-to-Oneコミュニケーションの要素が欠かせません。顧客データに基づいて最適なコミュニケーションをクロスチャネルで実行できるCMSの機能が必要とされているのです。

理由2:顧客データの広がり

 基本属性と購入履歴だけから顧客を分析、セグメントしていた頃から比べると、顧客に関して取得できるデータの種類と量が劇的に増大しました。

 特にWebアクセスログや位置情報などのリアルタイムデータはマーケティングコミュニケーションのあり方を大きく変えつつあります。顧客の今現在のニーズを把握することによって高い精度でのセグメンテーションやターゲティングが可能となり、CMS導入によるデータドリブンなアプローチで大きな効果を上げることができるようになりました。

理由3:CMS自体の進化

 CMSはその性質上、基幹系のシステムや外部システムとのインテグレーションが不可欠で、導入に大きな負荷が伴いました。運用にも高度なスキルが要求されました。今でもハイエンドのエンタープライズ向けCMSは手軽に導入というわけにはいきませんが、目的に応じて機能を絞り込んだものやSaaS型のCMSも増えて導入のハードルが下がったことは事実です。洗練されたユーザーインターフェースを備えて使いやすい製品も増えました。

 また、Webサイトのパーソナライズやスマホアプリへのプッシュ通知、さらにはデジタル広告の配信など、対応できるチャネルの拡大によって活用の幅が広がっていることも見逃せません。

一時的な流行りではないCMS導入の流れ

 現在のCMS導入への関心の高まりは決して一時的なものではないと思います。激変するマーケティング環境の中で企業が顧客を中心にしたマーケティングを実現するためには、さまざまな顧客データを基にしたデータドリブンなOne-to-Oneコミュニケーションを実現することが不可欠です。一方でデータの種類と量は増え続け、コミュニケーションのチャネルも複雑化します。

 それに対応する実行のためのエンジンとしてCMSは重要な役割を果たすことになります。この流れは止まることなく、むしろその周辺の関連するソリューションを巻き込んで加速していくのではないでしょうか。

 次回はCMSベンダー各社のグローバルでの戦略的な動きや日本国内での展開と今後の展望について解説します。

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この記事の著者

岡本 泰治(オカモトヤスハル)

 株式会社ディレクタス 代表取締役。リクルートを経て、ディレクタスを設立。数多くの大手企業のeCRM及びEメールマーケティングの戦略を立案し実行を支援。現在は複数チャネルを横断したクロスチャネル・マーケティングのためのコンサルティングとCCCMなどのツール提供、運用支援を行う。著書に『BtoC向けマーケティングオートメーシ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2014/06/10 18:41 https://markezine.jp/article/detail/19458

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