2.「なんか、バズらせたいんだよね」といって丸投げ
クライアント側で、実現したいことや現在抱えている課題、企画を考えないというのもどうかと思います。ストレートに考えると、まずやりたいことがあって、次にそのやりかたを考え、仲間を見つける、というのがものづくりではないでしょうか。
これがいいのか悪いのかわかりませんが、有名クリエイターから「クライアント側の課題を解決することがデザインであり、クリエイティブである」といったフレーズを聴くことがあります。これはこれで立派な仕事なのですが、自分の課題の認識くらい自分でやってみるのもよいのではないでしょうか。そのうえで、相談する相手がいることは素敵だと思います。
この30年くらい、代理店や制作サイドが至れり尽くせりのサービスを提供し続けた結果、「提案する側」と「提案される側」の構図ができあがり、チームが組みにくくなってしまったのではないかな、と考えています。
あくまで、考えを実現するためにチームを組むほうが、選ばれるパートナーもよい人が集まってくれるのではないでしょうか。
3.「進捗管理」に追われるディレクター
第3回で、こう書きました。
Web業界では、ディレクターの役割は「進行管理」と捉えられがちです。もちろん決まった仕様どおりにサービスを納品することは大事なのですが、愛されWebサービスとして機能させるには、それだけでは務まりません。
大切なのは、「演出」ができること。サービスをユーザーが知ってくれるところから、使ってくれるところ、友達に紹介してくれるところ、そして飽きて使わなくなるまで。その流れをイメージし、体験としてのサービス設計に責任を持つことが大事な役割だと考えています。
プロダクトを統括する役割のディレクターは社内にいることが理想ですが、そうではない企業も多いと思います。その時に、コアとなるディレクターが外部の方で、「進行管理」しかやっていない場合、サービスとしての演出がなされないままプロダクトをリリースすることになってしまいます。
さも自分のサービスかのように考え、行動してくれるディレクターを味方につけると、サービスが輝き出します。
代理店や製作会社のディレクターはKickOffの時にクライアントに対面することも多いので、その際に、作りたいサービスの世界観を理解してくれるか、進行管理以上の活躍をしてくれるか、を中心に相談してみるとよいかもしれません。