ソネット・メディア・ネットワークスと米PubMatic社は、5月14日より、世界6か国で提供されているグローバルSSP『PubMatic』の日本市場での提供を開始する。その発表に際して、4月23日、東京・渋谷においてローンチセミナーが開催された。
PubMatic社は2006年に米国シリコンバレーにて設立。同社が提供するSSP『PubMatic』は世界3大SSPのひとつとも評されている。現在、世界6か国(米国、英国、ドイツ、フランス、豪州、インド)にてグローバルサービスを展開している。
『PubMatic』は、世界合計約1,000億インプレッションの広告枠を管理・運用。端末別の広告枠コントロールのほか、プライベートマーケットプレイス機能、ブランドコントロール機能、アドインスペクター、掲載可否チェック(日本国内のRTB取引向け)、ユニファイドオプティマイゼーション機能といった独自機能を搭載。また日本国内の商習慣に合わせた機能も開発している。
また、既存の国内アドネットワークや、DSPとのプラットフォーム接続も順次対応し、日本国内における広告枠の先行運用を開始。日本国内でも注目されつつあるDMPとの接続や、プレミアム広告枠を持つグローバル広告媒体との連携も行う。
日本国内ではDSPの普及により、WEB広告枠のRTB取引が急成長している。一方、広告媒体社ではRTB取引時における広告枠の自社直接販売への影響や、端末別の広告枠コントロール、更には収益の最大化を目指す運用手法など、様々な課題を抱えている。
『PubMatic』の国内における技術面と運用サポートを担うソネット・メディア・ネットワークスのメディア部 部長 加藤秀明氏は、「メディアの掲載枠の収益を最適化する方法として、『自社販売』『アドネットワーク』『SSP』『SSPとアドネットワークの併用』『複数のSSPとアドネットワークを併用』といったケースが考えられるが、日本では最後の2つのケースが結果的に多いように感じている。
複数のSSPを併用する状況は日本独自のもので、最終的には最適なツールに決めることが理想だろう。それはもちろん簡単なことではないが、これから『PubMatic』を提供していくなかで、最終的な理想形を目指してチャレンジしていきたい」と語った。
プライベートマーケットプレイス機能:プレミアム在庫(付加価値の高い広告枠)を、広告主と広告媒体社が1対1で取引する機能。通常のRTB取引とは別の環境で取引相手を指定するため、広告枠の価値を維持できる。
ブランドコントロール機能:広告媒体社が、必要な条件を設定して、自社の広告媒体価値を維持できる機能。端末別の取引条件や広告枠の設定を一元管理でき、広告配信後のクリエイティブ表示状況を監視し、リアルタイムな状況の把握が可能。
アドインスペクター:掲載状況によって、掲載不可を依頼したい個別の広告枠を指定し、キャプチャーやURLをワンクリックするだけでサポートセンターへ連絡する広告監視ツール。
掲載可否チェック:日本の商習慣に合わせて開発した、RTB取引におけるクリエイティブの事前審査機能。既に搭載されているドメインやカテゴリを基準とする審査機能も併用でき、複数の手法で広告クリエイティブ審査が可能。
ユニファイドオプティマイゼーション機能:純広告を含めた複数広告枠の広告在庫を統合し最適化する機能。これまでの掲載実績を基に、価格重視の広告枠配分調整や、指定条件を重視した広告枠配分がリアルタイムに設定管理できる。
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